ニュース

富士通、垂直統合型データベースシステムを発売

FUJITSU Integrated System HA Database Ready SX1

 富士通株式会社は6日、高性能・高信頼ですぐに使える垂直統合型データベース(DB)システム「FUJITSU Integrated System HA Database Ready」を発売した。同社はハードウェアとソフトウェアを一体化し、導入・運用に最適な構成で提供する製品を垂直統合プラットフォーム「Dynamic Integrated Systems」として体系化し、今回はその第一弾。

 新製品は、顧客の業務データをより高速かつ確実に処理するために最適化したハードウェア・ソフトウェアを一体化したDBシステム。特長は「高性能・高信頼」「すぐに使える」「オープンスタンダード」の主に3点となる。

 「高性能・高信頼」では、高速なPCIe SSDにDB全体を搭載することで、I/Oボトルネックを解消してCPU性能を最大に引き出し、従来の同社製DBシステムと比べ、最大20倍の性能でトランザクション処理が行えるという。また、同社のDBソフト「Symfoware」独自のミラーリング技術によってシステムを完全二重化し、さらにデータをストレージシステム「ETERNUS」に自動バックアップする三重化構成で提供する。

インメモリ技術でDBのI/O性能を最適化
ハード故障時も業務継続

 「すぐに使える」では、リソースを最大限に生かすためのチューニングが実施された状態で提供されるため、複雑な導入・設定作業が不要で、誰でもすぐにDBを利用できるという。システムの運用にあたっては、システム全体の稼働状況が一目で分かるように、統合運用管理ソフト「Systemwalker」の技術を用いた監視機能を搭載。また、豊富なSI実績から型決めしたリカバリパターンに基づくバックアップ/リカバリ機能をあらかじめ搭載しており、日々のバックアップ運用を自動化できる。

 さらに「スマートソフトウェアテクノロジー」により、ハードウェア故障からの復旧時にもワンクリックでDBを回復できるほか、正サーバーと副サーバーを交互に切り替えてパッチファイルなどを自動適用するので、業務を止めることなくメンテナンスできるという。

設置からDB利用まで1日
業務を止めずにパッチ適用
PostgreSQLによるエコシステム

 「オープンスタンダード」では、OSにRed Hat Enterprise Linux、DBにPostgreSQLを採用することで、既存のソフトウェアやパッケージとの接続性や親和性を高める。また、PostgreSQLのバージョン間の互換保証を行い、顧客の既存資産を保護するとしている。

 同製品の装置仕様は、サーバーユニット(正/副)がXeon E5-2690×2、160GBメモリ、1.2TB PCIe SSD。ストレージユニットが9TB HDD、ネットワークがGigabit Ethernet(GbE)または10GbE。ユニット数は10U。価格は6730万円(税別)。2013年1月下旬より出荷を始める。

(川島 弘之)