ライオン、SAPシステムのデータベース基盤にOracle Exadataを採用


 日本オラクル株式会社とSCSK株式会社は27日、ライオン株式会社が、SAPシステムのデータベース基盤として、日本オラクルのデータベースマシン「Oracle Exadata」を採用したと発表した。SAPシステムのデータベース基盤にExadataを用いる事例は、国内で初めて。なおこの導入プロジェクト実施にあたっては、SCSKが企画・立案から構築、保守・運用までを担当している。

 ライオンでは従来、販売物流・分析、マスタ管理などの基幹系アプリケーションをメインフレームで稼働させてきたが、2010年1月からオープン化移行プロジェクトを開始し、さらに2011年10月からはデータベース統合の領域を会計システムにまで拡大する検討を開始した。

 そして検討の結果、パフォーマンスの高さと、データ圧縮に代表されるITコストの削減に貢献する機能、複数のOracle Databaseを統合できる点などを評価して、Exadataの採用を決めたという。また導入パートナーとしては、ExadataとSAPの導入時実績を豊富に持つ点と、導入後の安定した運用・保守体制を評価して、SCSKを選定した。導入作業は、日本オラクルの「Oracle Advanced Customer Services」のSAPデータベース移行サービスを活用し、約2カ月半で完了したとのこと。

 ライオンではこの移行により、財務会計モジュールであるSAP FIの標準機能/アドオンの区別なく、3倍から20倍の性能向上を達成。特に、従来は時間がかかっていたアドオン帳票のデータベース処理が高速化したことなどにより、経理業務の業務効率向上に貢献したとしている。

 加えて、Exadataのデータ圧縮技術によってデータベースのストレージ使用量が約50%削減されたため、異なるシステムの集約・統合を実現。従来の会計システム向けデータベース基盤と比べて、運用・保守コストを大幅に削減できたとのことだ。

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(石井 一志)
2012/8/27 12:17