なりたい姿は“超メーカー”、アシストが中期経営計画「弾丸-2017」を発表

2017年度に売上高300億円目指す


 株式会社アシストは11日、前・常務取締役の大塚辰男氏が、1月1日付けで取締役社長に昇格したことに伴い、新中期経営計画「弾丸-2017」を開始することを発表した。2017年に300億円の売り上げを目指すという。なお、それまで社長を務めていたビル・トッテン氏は、同日付けで代表取締役会長に就任している。


代表取締役会長のビル・トッテン氏トッテン会長(左)と新社長に就任した大塚辰男氏
取締役社長の大塚辰男氏
「弾丸-2017」の目標値

 1972年の創業以来、アシストではずっとトッテン会長が社長を務めてきた。しかし今回は、「自分も70歳になったし、(アシストも)40周年の決算を終えた。将来は“老舗のアシスト”と呼ばれたいので、(自分が)へろへろになるまでやるのではなく、若い人に任せたい。世代交代にはいいタイミングだと思っている」と述べ、大塚新社長へバトンを引き継ぐ理由を説明した。

 その大塚新社長は、大手資本のシステム子会社に2年半勤務した後、1983年にアシストへ入社。その後は一環して同社やそのグループ会社にキャリアを積んでおり、2009年からはアシストの常務取締役として営業関連を統括していた。「アシストへ転職して一番よかった点は、お客さまと触れあえ、またお客さまを大事にできる感覚を身につけられたことだ」と、自身の過去を振り返った。

 またトッテン会長は、「大塚(社長)の経歴を見ると、どんどん責任が増えてきているが、今、社長の役職に就けるのは、それまでの仕事を評価しているから。会社(アシスト)を作ってから、自分が一番いい社長であり、他人に任せるとは思っていなかったが、大塚社長は会社の運営をよく知っているので、うまく運営できると考えるようになった」と述べ、大塚社長の手腕に期待を示している。

 一方、中期経営計画「弾丸-2017」については、2017年までの6年間の計画が発表された。具体的な数字としては、全体を3年ずつ2つのフェーズに区切り、基盤作りの期間に位置づけられた前半は2014年に240億円、成果を結実させる後半では、2017年に300億円の売り上げを目指すという。2011年の売上高が200億円と見込まれているので、6年間で1.5倍に伸ばそうというわけだ。


アシストが目指す“超メーカー”

 そうした数字を残すための、6年後のアシストの姿として大塚社長は“超メーカー”という言葉を挙げる。この言葉には、1)独立系のSIerとして製品の開発メーカーを超える価値をお客さまに提供する、2)メーカーの期待を超える成果を出す、といった大きく2つの意味が込められているのだという。

 1)では、アシストが過去40年間ソフトウェアを提供してきたノウハウを生かし、既存の商用ソフトを提供するのみならず、オープンソースソフト(OSS)を活用した提案も積極的に行うとのことで、「お客さまは、より充実したシステム構築を行いたいが、よりコスト削減も求められている。また、ベンダーロックインを強く懸念しているお客さまもいらっしゃる。当社が活用ノウハウを持つ商用ソフトに、OSSと高品質なサポートサービスを加えて、開発メーカーを超える価値を提供する」との考えを示す。

 もう1つの2)では、「メーカーでは出せない付加価値を提案することで、シーズ(Seeds:種)をニーズに変え、製品を販売し、メーカーが考えている以上の結果を出す」(大塚社長)とした。

 なお製品分野も全方位に乗り出すのではなく、得意分野に注力するという方針も示した。それは、「データベースソフト」「BIを基軸にした情報活用分野」「運用管理分野」の3つで、これらに経営資源を集中するという。そのため、昨今何かと話題になるクラウドサービスについては、クラウド事業者への支援は行うものの、「アシスト自らがクラウド事業に乗り出すことはない」との立場を、大塚社長が明言している。

 またすでに発表されていたことではあるが、こうした施策を徹底するために、1月1日付けで執行役員制度を導入し、より迅速な意思決定を目指すことも、あらためて報道陣に伝えられている。

 「お客さまと末永くお付き合いをしていくために、『提案を日本で一番断りやすい会社を目指す』『課題やトラブルから逃げない日本一の会社を目指す』『お客さまと利益を分かち合う一番の会社を目指す』という3つの約束をしていきたい。当社ではいくつものビジネスシーンに提案するチャンスがあるが、提案を断りやすいということになれば、結果としてチャンスを一番いただける会社になる。また、いざというときにお客さまと課題を共有し、一緒に汗をかくことでは日本一を目指したい」(大塚社長)。


お客さまとの3つの約束
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