マインドジェット、マインドマップツール「MindManager 2012」日本語版

コラボレーティブワークマネジメントの力を日本にも


キャメロン・アクバリー氏

 マインドジェット株式会社は11月16日、同社が提供するビジュアル情報ソフトウェア「MindManager」の最新バージョン「MindManager 2012 Professional for Windows(以下、MindManager 2012)」日本語版のリリースを発表した。米Mindjet Corporationでアジアパシフィックおよびラテンアメリカのゼネラルマネージャを務めるキャメロン・アクバリー氏は「ファシリテーション付きのブレインストーミング機能やクラウド/モバイルとの連携強化など、MindManager 2012はこれまでになく重要なバージョンとなっている。チームの生産性を向上し、通常の思考を超えたアイデアを生み出すコラボレーティブワークマネジメントを日本にも定着させたい」と語る。

 MindManagerは、ブレインストーミングなどで得たアイデアをマインドマップで表現し、チーム内で共有するツール。会議や打ち合わせで収集した複数のアイデアをスマートに整理し、具体的なアクションプランや迅速な意思決定につなげることができる製品として、北米を中心に200万を超えるユーザーを抱える。導入企業にはCoca Cola、IBM、Ciscoなどが名を連ねており、日本企業においても東京エレクトロンや山武などが同製品を導入している。

新しいマップの作成画面

 MindManager 2012は、「コラボレーションとはそもそも何かという原点に立ち返って開発した」と語るのはマインドジェット チーフエバンジェリストの渡邉安夫氏。いま求められているのは、多様な人々があつまるダイバーシティな環境において得られた個別で雑多なアイデアを「スマートに整理し、見える化を図り、実際のアクションに紐付け、新たな付加価値を生み出せる製品」だという。そして"コラボレーションの原点回帰"として、

・アイデアの創出とファシリテーション
・迅速かつスマートな分析と意思決定
・スプレッドシート(Excel)上での情報活用

 といった点に特にこだわり、加えてクラウドやモバイルの活用を含む組織/チーム間の情報共有機能を強化している。

 例えば、ブレインストーミングにおけるアイデア創出をスムースに運ぶために「ファシリテーション機能付きブレインストーミング機能」が新たに追加されている。ここではブレインストーミングを「課題の定義」→「アイデアの発想」→「分類と絞り込み」と3つのステップに分けており、それぞれのステップにおいて適切なファシリテーションがなされているので、柔軟なアイデアが誘発されやすいという特徴をもつ。また、4象限(2×2)のマトリクスを用いた分析テンプレートにトピックを配置することで、状況把握や優先順位付けが容易になっており、迅速な意思決定がしやすくなっている。さらに「多くのユーザーから非常に要望の高かった」(渡邉氏)というExcelへのエクスポート機能が付加されたことで、マインドマップのExcelへの出力が簡単に行えるようになっている。なお、MindManager 2012ではSharePointとの統合も図られており、SharePoint内の情報をMindManager内に表示させることも可能だ。

 また、新規作成時に利用できるテンプレートがあらかじめ6カテゴリ/39種類用意されているほか、オンラインギャラリーにも19種類のテンプレートが揃えられている。

課題を定義。独自の課題設定のほか、製品開発/マーケティング/営業などのカテゴリごとに分けられた定義済み課題の雛形も利用できる課題に対するアイデアの発想

4象限(2×2)のマトリクスを用いた分析テンプレートにトピックを配置Excelへのエクスポート
マインドジェットの考える「コラボレーティブワークマネジメント」

 情報共有機能の強化においては、チーム内のタスク管理に必須なマイルストーンの進捗管理をガントチャートで確認できるようになっているほか、クラウド環境の「Mindjet Connect」にデータを置くことで、スマートフォンやタブレットからデスクトップにあるのと同じ情報(マインドマップ)にアクセス可能となっている。

 普及しつつあるとはいえ、国内におけるマインドマップ自体の知名度はまだそれほど高くない。ビジネスでの利用となればなおさらだ。だが、一方で「マインドマップ導入により、20%強の企業が週あたりの作業時間を5時間以上削減でき、70%の企業がより複雑な業務へのアプローチが可能になった」という調査結果もある(The Mindmapping Software Blog調査)。コラボレーションソフトウェアとしてのマインドマップの有効性をどこまで市場に訴求できるのか、今後のマインドジェットのマーケティング展開に注目したいところだ。

 同社は今年9月、ウチダスペクトラムと提携し、MindManagerの企業向けライセンス提供を開始、導入企業を着実に増やしつつある。アクバリー氏は「日本でのビジネスの足場は固まった。2012年、MindManagerはまちがいなく国内市場で大きく成長する」と自信を隠さない。在宅勤務やワークシェアリングなど、日本人の働き方が大きく変わりつつある一方で、現在はより“チームの生産性”が問われる時代になっている。多様な働き方が進めば、離れた場所にいても情報の共有やコラボレーションが可能になるモバイル対応はますます重要になる。渡邊氏も「今後はモバイルでのマインドマップ利用がよりフォーカスされるようになる。MindManagerもその点を重視して開発を続けていく」とモバイル対応への注力を明らかにしている。

 MindManager 2012 Professional for Windowsは12月1日に発売開始、価格は新規シングルライセンス4万5,999円(税別)、アップグレードライセンス1万7,500円(税別)となっている。なお、11月29日までに予約すれば3万円で購入できるキャンペーンが現在実施されている。

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