Skeed、グローバルでの大容量ファイル連携システム構築向け高速ファイル転送ソフト


 株式会社Skeedは、品質が不安定なグローバルネットワーク環境において、大容量ファイルを高速転送するファイル転送ソフト「SkeedSilverBullet Business」を10月31日に販売開始すると発表した。価格は個別見積もりで、目安として導入時コストは200万程度から。将来的には、提携SIerなどからクラウドサービスとしての利用も可能になる予定だという。

 震災以後、業務継続性の観点からクラウド環境へのデータバックアップをはじめ、クラウドとのデータ授受の必要性が高まっており、またクラウドへのバックアップも、リスク分散のため海外のデータセンターへのバックアップを望む企業が増加している。

 Skeedは今年6月2日より、簡易に利用可能なツールとして「SkeedSilverBullet Standard」を販売してきたが、顧客や導入検討企業から、「クラウド環境へのデータ授受手段として活用できないか」、「海外拠点との間で、周辺システムと連携させつつ、変更のあった動画情報や設計図面情報を迅速にやり取りしたい」、「企業システムとしてより大規模に利用したいので、管理機能を充実してほしい」といった要望が上がっていたという。

 こうした要望を受け、「SkeedSilverBullet Business」では、Standardと同様にFTPの数十倍の性能を持つ高速ファイル転送機能のほか、ファイルレプリケーション機能やサーバー間連携機能、外部システム連携機能、管理機能、リモートファイル転送機能、ユーザー認証機能など、企業から要望の高い機能を実装、業務用途向けの機能強化を行った。

株式会社skeedによる、帯域10Mbpsの回線における計測結果

 SkeedSilverBulletシリーズ製品では、ネットワーク距離や品質に影響を受けにくい、ファイル転送に特化した独自プロトコル「SSBP」を実装。「SSBP」を用いることで、グローバルな2拠点間でファイル群の差分情報を検出し、同期するグローバルファイルレプリケーション機能を実現している。メールシステムでの利用を想定し、POP3およびIMAPにも対応した。

 システム管理機能は、ウェブブラウザーを介して、ユーザー管理機能をはじめ、サーバーの動作やシステムリソースの監視、システムログの管理、セッションおよび転送処理などの管理が行える。外部システムから、ファイル転送時に必要となる各種操作や転送速度の指定、サーバー管理機能の操作が行えるよう、REST APIも用意。

 ユーザー認証では、Active Directoryに対応したLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)およびKerberos認証の、シングルサインオン機能に対応する。セキュリティ面では、ディフィー・ヘルマン鍵共有による認証およびAESによる共通鍵暗号方式に対応した。

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(工藤 ひろえ)
2011/10/28 09:00