アクロニス、仮想化機能を強化した「Acronis Backup & Recovery 11」



主な機能
価格表

 アクロニス・ジャパン株式会社(以下、アクロニス)は21日、仮想化への対応を強化したイメージバックアップ&リカバリソフトウェア「Acronis Backup & Recovery 11(以下、ABR11)」を発売した。ABR11では、Linuxバックアップの異機種への復元機能やMicrosoft Hyper-Vへのクラスタ対応、イメージ内を検索できるカタログ機能などが追加された。

 ABRの特徴の1つに重複除外機能がある。アクロニス プリンシパルセールスエンジニアの佐藤匡史氏は、「ABR11はイメージバックアップの製品では唯一重複除外機能を備えている」と語り、ファイル・ブロックレベルで重複するデータを除外することで、最大90%のストレージ容量削減を実現できるそうだ。また、パフォーマンスも50%向上できたという。

 ABR11での注目点は、仮想化への対応である。新しく追加されたLinuxバックアップの異機種への復元(Universal Restore)機能では、異機種だけでなく、仮想環境への復元が可能となっている。近年要望が高まっているP2Vへの対応を強化した形だ。

 加えて、今回のABR11では、1ライセンスで仮想マシンを無制限でバックアップできるようになっている。さらに、P2VやV2Pの環境においても無制限にバックアップを行えるため、従来よりも幅広いニーズに対応できる。

 また、Microsoft Hyper-Vへのクラスタ対応やVMware vSphere 5もサポートしており、混在環境でのバックアップ環境を意識した強化を行っている。オフホスト方式や仮想アプライアンス方式によって、LANフリーも実現したという。

 増分バックアップにも対応。さらに短時間でバックアップが可能になっており、データ量も抑えられることから、今後のデータ増大へも対応できるとしている。

 また、これらのバックアップしたイメージを管理しやすくするカタログ機能が追加されている。バックアップしたファイルを検索・閲覧でき、増分・差分バックアップのイメージファイル内も検索が可能だ。構造が記録されており、スピーディな検索やバックアップファイルの集中管理を行うことができる。

 他にも、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)への対応やステージング機能、テープ対応の強化、バックアップ計画を他のマシンへインポート/エクスポートする機能などの追加が行われている。

 価格は、集中管理型ソリューションのABR11 Advanced Workstationが1ライセンスあたり1万2000円、スタンドアロン型ソリューションのABR11 Workstationが1ライセンスあたり9600円となる。また、現在ABR10を利用しているユーザーで、保守サービス契約がある場合は、無償でABR11にアップグレードができる。

Linuxバックアップの異機種への復元カタログ作成と検索
アクロニス代表取締役の村上督氏

 アクロニス代表取締役の村上督氏は、「3・11の震災やデータ増大から、データバックアップやデータ保護への関心が高まっている」と述べ、復旧スピードやコスト削減の観点からABR11がディザスタリカバリソフトウェアとして力を発揮できるとした。現在、SMB市場がメインだが、ABR11の機能強化で、ミッドマーケットへの進出を狙っていくという。

 また「現在、イメージバックアップ&リカバリ分野において、国内シェアの50.2%を占めており、市場を確立できた。今後はデータプロテクションの機能を強化し、統合型のディザスタリカバリソリューションを実現していきたい」という。今回のABR11によって、データプロテクション市場への参入準備が整ったとし、ワンストップのバックアップソリューションを目指していくそうだ。

 現在SIerとのテクノロジーパートナーシップや自社のエンジニアの増員を行うことによって、製品に精通したエンジニアの育成を行い、ノウハウや知識を蓄積していきたいとした。

また、クラウドへの対応について海外製品は対応しているが、日本版ではSLAやセキュリティの観点からクラウドへの対応は未定とのこと。

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