NEC、SAN対応省電力ストレージのラインアップを強化
iStorage M500 |
日本電気株式会社(以下、NEC)は20日、SAN対応省電力ストレージ「iStorage Mシリーズ」のラインアップ拡充を発表した。省電力や仮想化対応に優れたミッドレンジモデル「iStorage M500」ならびにローエンドモデル「iStorage M300」を同日より国内で発売し、順次、北米・南米・アジア・欧州にも展開する。
新製品は、「コモン・プラットフォーム」のコンセプトに基づき、CPU・電源などをサーバー製品と共通化するなど、サーバー開発で培った技術によって省電力化や性能向上を図った。加えて、ストレージ内部の仮想化を進め運用性や信頼性を向上し、ミッションクリティカルシステムやプライベートクラウドの構築に最適な製品として訴求する。
iStorage M500では「80 PLUS PLATINUM」電源、同M300では「80 PLUS GOLD」電源を採用し、独自の電力制御技術も組み込むことで、従来比最大50%の省電力化を実現。独自設計による部品の最適配置や冷却ファンの回転数制御などで、40℃環境での稼働も実現した。最新の直流給電方式にも対応する。
また、高性能CPUの採用や内部バスの最適化、複数のI/O処理をまとめて高速に処理するRAIDアクセラレータを採用。ストレージ内部処理も多重化することで、従来比最大4倍の性能を達成したという。
仮想化対応としては、VMware vSphereにおいて、サーバー上の処理の一部をストレージで実行することでシステム性能を高めるAPI「VAAI」に対応。加えて、業務停止することなくデータをディスクにバックアップできる独自ソフト「WebSAM Storage RepNavi Suite for VMware(オプション)」も用意することで、仮想環境の性能と運用性を向上したという。
さらにSSDを二次キャッシュとして利用するソフト「iStorage PerforCache(オプション)」も提供。コントローラ障害発生時に性能低下を最小限に抑えながら、データが消去されないようにSSDで保護する「パーシステントライト機能」など、SSDによる新機能を搭載している。HDDとSSDを併用する場合には、ストレージシステム内において、データのアクセス頻度や特性に応じて自動的に最適な領域へデータを移動させるソフト「iStorage PerforOptimizer(オプション)」も用意している。
iStorage M300 2.5型ドライブモデル | iStorage M300 3.5型ドライブモデル |
iStorage M500は、デュアルコントローラ構成本体(1G iSCSI×4、キャッシュ12GB、2.5型300GB HDD×3台、ディスクエンクロージャ)、基本制御ソフトの構成で895万円(税別)から。出荷は12月22日より。M300は、デュアルコントローラ構成本体(1G iSCSI×4、キャッシュ8GB、2.5型300GB HDD×3台)、基本制御ソフトの構成で325万円(同)から。出荷は10月21日より。
なお、オプションのWebSAM Storage RepNavi Suite for VMwareは130万5000円(税別)から。出荷は10月21日より。iStorage PerforCacheは35万円(同)から。出荷は2012年2月末より。iStorage PerforOptimizerは63万円(同)から。出荷は12月22日より。