ANAがV-CUBEを採用、Web会議でパイロット訓練生の診察・カウンセリングを


 株式会社ブイキューブは7日、Web会議システム「V-CUBEミーティング」を全日本空輸株式会社(ANA)が採用したと発表した。ANAでは、米国にいるパイロット訓練生の診察やカウンセリングに同サービスを利用している。

 「V-CUBEミーティング」は、市販のWebカメラとヘッドセット、インターネット環境さえあれば、世界中どこからでも利用できるASP型Web会議システム。1対1、1対n、n対nの各形態を網羅し、ホワイトボードや資料共有、会議の録画など多彩な機能と、企業ユースに適したセキュリティを兼ね備えるという。

 ANAは、同システムを米国にいるパイロット訓練生の健康管理やカウンセリングに活用する。国内線で最大の路線網をもち、乗客数でも日本最大級のANAでは、自社養成のパイロット訓練生が多いときには100名を超える。

 訓練生は米ベーカーズフィールドで飛行訓練を平均1年半ほど受けるが、ケガや厳しい訓練によるストレスなど、健康管理が問題になるという。治療は現地の米国人医師が担当するが、パイロットには労働安全衛生法に加えて航空法にも準拠した厳しい健康管理が必要となる。これまで訓練復帰の判断やカウンセリングなどは同社のパイロット担当産業医が日本から電話やメール、場合によっては訓練生を帰国させて行ってきたが、診断時間がかかり訓練計画に遅れを生じさせることがあったという。

 そこで映像で診察できる「V-CUBEミーティング」を採用。導入後の半年間で活用実績は診断やカウンセリングだけでも10件におよび、診断時間の短縮と訓練計画の遅延抑制に効果が得られたという。

 現状では訓練生が主体だが、今後は米国、欧州、中国などで勤務しているスタッフやその家族にケアが必要になった場合に使用することも検討中としている。

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