東芝ソリューションとTSIS、東芝グループの国内情報システムをプライベートクラウド化


 東芝ソリューション株式会社と東芝インフォメーションシステムズ株式会社(以下、TSIS)は12日、国内の東芝グループ企業に提供している情報システムのクラウド化が完了したと発表した。東芝ソリューションでは今後、グループ内で培ったクラウド構築実績をもとに、同レベルのサービスを顧客に対して提案できるよう、ビジネスモデルを検討していくとしている。

 国内外に542社、約20万人の社員を抱える東芝グループの事業を支えるべく、東芝ソリューションとTSISでは、約80のサービスを提供し、24時間365日体制でサポートを行っている。そうした中で両社では、2008年から情報システムのクラウド化を進めてきたが、2010年10月に、国内対応が完了したという。

 具体的には、まず、国内で管理しているサーバーをデータセンターの仮想化サーバーに集約した。この集約では、国内主要拠点のサーバー100台を4台にまとめる高い集約率を実現しており、同様の手法で現在も統合範囲を拡大。並行して運用も改善し、集約された運用業務の定型化と自動化により、グループ全体での運用効率向上を達成した。2010年度末には、こうした施策の効果によって、60億円のコスト削減が見込まれている。

 また、人事/給与/勤怠/財務会計などを中心に、グループ内で業務システムを共通化。特に、事業特性に左右されない人事/給与システムでは、東芝ソリューションの人事給与ソリューション「Generalist」をクラウド型で提供し、東芝グループの人員比率で約8割が同システムを利用しているという。

 このほか、BIツール、調達システムなど、共通機能を中心にクラウド型のサービスが多数展開されており、メール/情報共有基盤についても、これまでの統合Notes環境から、2010年末を目標にOutlookとSharePoint Serverへの集約を推進する。

 加えて、事業特性や専門性の強い業務領域でも、クラウド型に適したサービスを選別し、導入を推進するとのことで、サーバーリソースの時間貸しでシミュレーションを行えるHPC分野、業界の横断的な取り組みである環境負荷物質管理といった分野で、クラウドによるサービスを提供している。

 なお今後は、4月の中国拠点稼働を皮切りに、「グローバルITシェアード構想」をキーワードとした海外展開を進めていく計画で、グローバルネットワークの統合、海外リソースを活用したBPOの推進などを行う予定である。

 さらに東芝ソリューションは、このクラウド化で培ったノウハウを、クラウドインテグレーションやSaaSとしてメニュー化し、顧客への営業活動を行うとのこと。今後は、プライベートクラウドのテナント化による外部へのサービス提供(パブリッククラウド化)など、“東芝品質”を顧客に提供することを検討するとしている。

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