日本IBM、大量データの並列処理クラウドサービス~GPGPUを月額提供


 日本IBMは2日、GPUを汎用化したGeneral-Purpose GPU(GPGPU)による、大量データの並列処理に優れたHPC環境を提供する新サービスを発表した。High Performance Computing(HPC)環境を提供するクラウドサービス「IBM Computing on Demand」の新ラインアップとして、同日より提供する。

 IBM Computing on Demandは、同社データセンターに設置され、HPC向けに構成されたサーバー・ストレージを高いセキュリティで保護されたネットワーク越しに利用できるクラウドサービス。発注から1週間以内に必要なリソースを提供し、ユーザーは必要なソフトをインストールし、イントラネット上のリソースとして管理できる。繁忙期や短期間での新製品開発など、一時的なパフォーマンス増強が必要な際に最適なサービスだ。

 HPC環境において、CPUよりも多くの演算コアを搭載し大量データの並列処理に優れたGPGPUは、動画処理だけでなく金融リスク計算や医療画像のリアルタイム処理、物理シミュレーションなど、さまざまな処理を高速化する。

 新サービスはこのGPGPU環境を提供するもので、448個の演算コアを搭載したGPGPU×2個を最小単位とし、1週間以上・1日単位で利用できる。サービス基盤には、省スペースと高い冷却効率により低消費電力を実現する「IBM System x iDataPlex dx360 M3」を採用。1サーバーあたり2個のGPGPUが搭載されている。GPGPU×2個の環境でも1テラフロップス(TFLOPS)を超える処理能力を備える。

 例えば、GPGPU×8個による4.12TFLOPSの処理能力を1カ月利用する場合で、利用料金は160万円(税別)/月。この処理能力はCPU×112個によるIBM Computing on Demandと同等でありながら、料金は約60%低価格となる。

 日本IBMでは、初めてGPGPUを活用するユーザー向けに、既存のCPUベースのHPCアプリケーションをGPGPU向けに最適化する「IBM 超並列技術支援サービス」も提供する方針。アプリケーション移行の評価や作業支援、全作業の請け負いサービスなどを提供するとしている。

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