インフォマティカ、データ統合プラットフォームの新バージョン
新たにデータプロビジョニングサービスを提供
米Informatica 最高マーケティング責任者(CMO)のクリス・ブアマン氏 |
インフォマティカ・ジャパン株式会社は13日、データ統合プラットフォームの新バージョン「Informatica Release 9」(以下、Informatica 9)を本日より国内販売開始することを発表した。11月中旬より出荷開始する予定。
「Informatica」は、システム間の緊密な整合性を実現しながらオープン性も兼ね備えた総合的なデータ統合プラットフォーム。今回の新バージョンでは、エンタープライズデータ統合、データ品質管理、B2Bデータ交換、アプリケーション情報ライフサイクル管理、マスターデータ管理、複雑なイベント処理(CEP:Complex Event Processing)、ウルトラメッセージングにクラウドデータ管理をあわせた8カテゴリの機能を網羅。同社にとって、過去最大規模のメジャーバージョンアップ版になるという。
製品群としては、データ連携・統合ソフトウェア「Informatica PowerCenter」、データコネクションソフトウェア「Informatica PowerExchange」、データ品質管理ソフトウェア「Informatica Data Quality」 に加えて、新たにデータプロビジョニングサービス「Informatica Data Services」をリリースした。「Informatica Data Services」は、複数のシステムに保管されているデータを1つのデータセットで提供するサービス。マルチドメインにサイロ化されているデータをシングルビューで提供できるようになる。
米Informatica 最高マーケティング責任者(CMO)のクリス・ブアマン氏は、新バージョンを投入する背景について、「現在の情報経済環境では、企業にとってデータは最も重要な資産となっている。今後、企業の生き残り戦略や成長戦略を成功させるためには、データを中心にした“データ駆動型企業”への変革が求められるだろう。例えば、M&Aなど重要な局面での意志決定を向上させるには、タイムリーで信頼があり関連性のあるデータを基にする必要がある。しかし、ほとんどの企業はデータの価値をビジネスに生かし切れていないのが実情」と指摘する。
Informatica 9の機能概要 |
「データ駆動型企業になるためには、各種アプリケーションやデータベース、非構造化データ、さらにはパートナーとの共有データ、クラウドコンピューティング上のデータまでさまざまに点在しているデータを統合し、その価値を引き出すことが重要になる。今回のInformatica 9では、こうした企業内に埋もれたデータをすべて統合し、データ駆動型企業の実現を支援するために、8つの機能を1つのプラットフォームに集約した。これによって、信頼性できる最適なデータをタイムリーにビジネスに提供することが可能となる」と、ブアマン氏は新バージョンのメリットを強調した。
具体的に、「Informatica 9」では、データ駆動型企業の実現に向けて、(1)業務部門とIT部門のコラボレーション、(2)パーベイシブ(普遍的)なデータ品質、(3)SOA(サービス指向アーキテクチャ)ベースのデータサービス--の3つの特長を新たに提供する。
SOA(サービス指向アーキテクチャ)ベースのデータサービス | パーベイシブ(普遍的)なデータ品質 | 業務部門とIT部門のコラボレーション |
Informatica エンタープライズ・データインテグレーション事業部 ゼネラル・マネージャーのアッシュ・クルカルニー氏が、この3つの特長について説明。「SOAベースのデータサービスでは、データ仮想化を活用して、DWHの効果を最大化する。さまざまな場面において必要な情報を、格納場所を意識せずに仮想上で迅速に連携・統合することで、タイムリーなレポート提供が可能となり、ビジネスの意思決定を支援する。また、俊敏性の向上や再利用性の向上、変更コストの削減を図ることもできる」と述べた。
Informatica エンタープライズ・データインテグレーション事業部 ゼネラル・マネージャーのアッシュ・クルカルニー氏 |
「パーベイシブ(普遍的)なデータ品質」については、「品質の低いデータをビジネスに利用することは、企業にとってさまざまなデメリットをもたらす。Informatica 9は、企業内で横断的な品質ルールを設定することができる。これにより、全社的な品質管理が可能となり、すべての関係者に信頼できるデータを提供することが可能となる」という。
そして、「これまで、業務部門とIT部門のコラボレーションを行うには、ExcelやWordなどのデータをプリントアウトして情報共有をする必要があった。これに対してInformatica 9では、役割に沿ったアナリストツールによって、業務部門とIT部門のユーザーが同一画面を共有することができる。相互の情報共有を可能にすることで、開発生産性の向上を支援する」としている。