CA Technologies、アプリケーション性能管理ソリューションの最新版

クラウドから仮想/物理環境までWebトランザクションを可視化


「CA APM 9」の機能概要

 CA Technologiesは7日、クラウドや仮想/物理環境を含めたあらゆるIT環境におけるWebトランザクションを可視化し、ビジネス・トランザクションのサービス品質を保証するアプリケーション性能管理ソリューションの最新版「CA Application Performance Management(以下、CA APM)9」を、10月1日より出荷開始すると発表した。これにより、IT環境のサービス品質を保証する「サービス・アシュアランス・マネジメント・ソリューション」のポートフォリオ強化を図る。

 「CA APM 9」は、アプリケーション性能の可視化と管理を行う統合ソリューション。オンプレミスやクラウドそして、物理環境や仮想環境、またそれらの混在環境におけるWebトランザクションを可視化し、それをアプリケーション・レベルまでエンド・ツー・エンドで追跡することで企業のIT部門による可用性や性能管理に関するプロセスの強化を支援する。

 また、ビジネスおよび顧客視点でのトランザクション・サービスの状態を的確に把握・分析することにより、企業のIT部門やクラウド事業者自身がサービス提供状態やビジネスへの貢献レベルを的確に判断することが可能となる。

 同社では、従来まで、Webアプリケーションの性能を監視し、問題を検出するソリューション「CA Wily Introscope」と、ユーザー体験のサービスレベルを管理するソリューション「CA Wily Customer Experience Manager(CEM)」をそれぞれ単体で提供してきたが、今回のバージョンから「CA APM 9」として1つのソリューションに統合したという。

 2つのソリューションがシームレスに連携することで、エンドユーザーの体験状況を即座に把握し、アプリケーションの根本的な原因まで、スムーズかつ迅速に切り分け・診断することが可能となった。なお、「CA Wily Introscope」は引き続き、「CA Introscope」として単体で提供される。

サービス・アシュアランス営業本部 APM営業部 部長の脇本亜紀氏

 サービス・アシュアランス営業本部 APM営業部 部長の脇本亜紀氏は、「体の異常を早期に発見できたり、未来の病気を予知できたり、病気になっても早期回復が可能になる医療器具があったら、私たちにとって非常に有効なソリューションとなるはず。今回発表するCA APM 9は、これと同様の効果をITシステムに対して提供するものだ」と、新ソリューションがもたらすメリットを説明。

 「特に、仮想化され、クラウドを利用したITシステムでは、アプリケーションやトランザクションを取り巻く環境が複雑化し、エンドユーザーレベルの体験状況の把握が困難になっているのが実情。当社では、これに対して、トランザクションを監視対象にすることで、ユーザー体験の状況把握や問題の切り分けを実現する。CA APM 9では、このトランザクション監視をさらに追求しており、クラウドへのシフトが進む今後のITシステム環境に必須のアプリケーション性能管理ソリューションになる」との考えを示した。

 具体的に、「CA APM 9」で搭載した主な新機能は、(1)ビジネス・セントリック・マネジメント、(2)アプリケーション・トリアージ・マップ、(3)ダイナミック・インスツルメンテーション、(4)SOA対応インフラの拡大――の4点。いずれも「CA Introscope」により提供される機能となる。

 「ビジネス・セントリック・マネジメント」は、ビジネス指向で性能や可用性データを表現する機能。これにより、アプリケーションに関する健康状態をより容易かつ迅速に理解し、ビジネス・オーナーとのやり取りを促進できる。

アプリケーション・トリアージ・マップダイナミック・インスツルメンテーション

 「アプリケーション・トリアージ・マップ」は、カスタム・ダッシュボードでアプリケーション・マップを自動生成して、それらの性能と可用性を提示することで、問題切り分け時間やMTTR(平均復旧時間)を大幅に縮減する。

 「ダイナミック・インスツルメンテーション」は、エキスパートでなくとも、GUIを使用してダイナミックに、アプリケーションを再起動することなく、カスタム・インスツルメンテーションが可能となる。

 「SOA対応インフラの拡大」では、Oracle、IBMに加えて、TIBCO、webMethods、Apache、Metro、JBossなどのSOA環境に標準対応した。

自動トランザクション識別機能

 このほか、「CEM」の新機能として、「自動トランザクション識別機能」を搭載。稼働中のトランザクションを自動的にキャプチャすることで、レコーディング定義を省略し、個々のトランザクション定義を迅速化する。

 また、マルチバイトが含まれる場合のトランザクション・モニタをサポート(UTF8、 Shift JIS、EUC)するとともに、日本語ユーザー・インターフェイスの適用範囲も拡大している。

 参考価格(1CPU)は、「CA APM 9」が162万5000円(税別)から、「CA Introscope 9」が120万円(同)から。すでに、アクサテクノロジーサービスジャパンへの導入が決まっており、「引き続き、通信業者での大規模な運用環境にフォーカスして販売展開する一方で、中規模から大規模の金融系オンライン取引や、製造業における来年度以降の中期計画での導入ニーズにも対応する。あわせて、今年6月に発表したNECとの協業を強化していく」と、脇本氏は今後の拡販展開に意欲を見せていた。

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