日本CA、アプリケーション性能管理ソリューションの最新版

SOAトランザクションの監視・可視化機能を拡充

 日本CA株式会社は5月18日、アプリケーション性能管理ソリューション「CA Wily Application Performance Management(APM)」の最新版を本日より出荷開始したと発表した。同ソリューションは、「CA Wily Introscope 8.1」と「CA Wily Customer Experience Manager(CEM)4.2.2」の2製品で構成される。


CA Wily APMの概要CA Wily APMのアーキテクチャCA Wily APMの新機能ハイライト

 CA Wily APMは、Webアプリケーションの性能と可用性を監視し、エンドツーエンドでビジネストランザクションを可視化することで、オンラインバンキングやオンライントレーディングなどWebアプリケーションを活用したビジネスをサポートするソリューション。構成製品のCA Wily Introscopeは、複雑なJavaおよび.NET Webアプリケーションをリアルタイムで監視し、問題を検出・解決する。また、CA Wily CEMは、各エンドユーザーのビジネストランザクションのサービス品質をリアルタイムに管理する。

ワイリー・テクノロジー営業本部 本部長の脇本亜紀氏

 ワイリー・テクノロジー営業本部 本部長の脇本亜紀氏は、アプリケーション性能管理の現状について、「SOAの導入が進み、運用フェーズに入っている企業も増えている。しかし、アプリケーション環境の複雑性が増すなかで、SOAの性能管理に注意が払われることは少なく、その成熟度も低いため、本番環境で発生する問題の予測、および問題発生後の原因切り分けが非常に難しくなってきている」と指摘。こうした背景から、「APMの必要性がさらに高まっていると感じている。今回の最新版では、特にSOA導入の課題解決にフォーカスして機能強化を行い、SOAトランザクションの可視化と優先順位付け、および複雑なアプリケーション環境の“見える化”の2点に注力した」としている。

SOAヘルスダッシュボード画面
Oracle Service Busの標準ダッシュボード画面

 具体的な機能強化点としては、CA Wily Introscope 8.1では、SOAトランザクションの可視化と優先順位付け機能を強化した新機能「SOA Performance Management(SPM)8.1」を搭載。SOA環境内でのサービス間の依存関係を自動的にグラフィカル表示するSOAディペンデンシーマップ、SOA/Webサービスの性能情報を提示するリアルタイムSOAヘルスダッシュボードなどを提供する。これにより、サポート管理者は複雑な環境を視覚的に把握し、問題対処の優先順位付けと解決プロセスを向上することができる。

 また、拡張機能として、SOAミドルウェア・プラットフォームのOracle Service BusやWebSphere Process Server/ESBをサポートするとともに、これらを経由したクロスプラットフォーム・トランザクションのトレースもサポートし、さらに多くのインフラストラクチャ・コンポーネントのトランザクション・モニタリングが可能となった。

 さらに、CA Wily Introscope 8.1では、MQサポートを拡張する「PowerPack for MQ 8.1」を提供。アプリケーションからWebSphere MQへのクロスプロセス・トランザクション・トレースをサポートし、MQの性能がアプリケーションにどのように影響するかを迅速に把握することができる。これにより、サーブレットからQueue ManagerまでMQに起因する性能の問題を素早く特定・解決でき、プロセス間トランザクションの追跡機能を主要なMQコンポーネントにも適用可能となった。このほか、企業のセキュアチャネルを介したMQモニタリング機能も備えている。

 一方、CA Wily CEM 4.2.2では、リアルタイム・トランザクション・メトリクス機能を新たに提供。トランザクションを監視してすべての動きを捕らえ、それらをCA Wily Introscope Enterprise Managerに蓄積し、CA Wily Introscope Workstationで閲覧したり、ダッシュボードに表示することができる。この機能によって、トランザクション実行中にエンドユーザーがどのような体験をしているかを、IT管理者や業務責任者が正確に把握できるとともに、SLAの順守状況を把握し、ビジネス・トランザクションの重要度に応じて、的確な優先順位付けで対処することが可能となる。


クロスプロセス・トランザクション・トレースのヘルス&アベイラビリティ・ダッシュボード画面リアルタイム・トランザクション・メトリクスのエグゼクティブビュー画面

 CA Wily APMの価格(1CPU)は162万5000円(税別)から。各機能単体での価格(1CPU)は、CA Wily Introscope 8.1が120万円(税別)から、CA Wily CEM 4.2.2が75万円(税別)からとなっている。



(唐沢 正和)

2009/5/18 16:47