CA Technologies、クラウド専用のPPMソリューションを日本市場向けに初投入


オンデマンド営業部 部長のマイク・アルフォード氏

 CA Technologiesは7月15日、日本市場向けに初めて投入するクラウド専用ソリューションとして、プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)ソリューションの最新版「CA Clarity PPM On Demand」を、同日より出荷開始すると発表した。参考価格は、年間518万4000円(50ユーザー、税別)から。

 「CA Clarity PPM」は、企業や組織におけるITガバナンスの強化、プロジェクト群の成功率の向上、新規事業・新製品開発などを支援するPPMソリューション。今回の最新バージョンでは、前バージョン「CA Clarity PPM v12」の機能と使いやすさを拡張し、新たにクラウド専用ソリューションとして提供する。

 同社 オンデマンド営業部 部長のマイク・アルフォード氏は、日本市場にクラウド専用ソリューションを投入する背景について、「日本のクラウド市場規模は急速に成長を続けており、世界で2番目に大きな市場規模に拡大していると見ている。一方、PPMソリューションも日本において年々ニーズが高まっている分野で、多くの企業にとって重要な経営課題となりつつある。当社では、この成長市場をターゲットに、自社のツールとノウハウを結集した高信頼のクラウドインフラを生かし、日本市場向けにクラウド専用のPPMソリューションを積極展開していく」と述べている。

「CA Clarity PPM On Demand」のメイン画面ITガバナンスプロセス全体へ「CA Clarity PPM On Demand」を提供

 「CA Clarity PPM On Demand」では、ITガバナンスや製品開発プロジェクト管理などをクラウド上で一元管理することが可能となる。クラウド型の提供形態を採用することで、システム投資のリスクやコストを削減するとともに、導入期間の短縮を実現する。また、企業や組織の要件に対して、即時にサービスを開始でき、カットオーバー後の追加要件に対しても柔軟に対応することが可能。提供元となるデータセンターには、バックアップ/運用管理/セキュリティなど、CA Technologiesのツールとノウハウが生かされており、信頼性の高いクラウドインフラの中でPPMソリューションを利用できることも特徴となっている。

改善されたUIとダッシュボードオンデマンド営業部 シニアコンサルタントの澤野信彦氏

 新機能としては、企業や組織におけるITガバナンスを支援する「ライフサイクル・マネジメント」を提供。「ITプロジェクトをライフサイクルとして定義することで、その前段のアイデア、開発要求、開発後のアプリケーションまでを一連のライフサイクルとして管理することができる。これにより、導入企業は、自身の業務プロセスにあわせて、ライフサイクル自身と各サイクルで管理が必要な項目をクラウド上で定義できるようになる」(オンデマンド営業部 シニアコンサルタントの澤野信彦氏)としている。

 また、ユーザーインターフェイス(UI)とダッシュボードの改善を実施。導入企業ごとに自由に定義できるほか、簡素化や詳細化も自由に行える従来のUIの特徴はそのままに、最新のWeb技術により大幅に使いやすさを向上した。これによって、プロジェクトの現場は、市販のサードパーティのプロジェクト管理ツールを利用することなく、ブラウザ上で複雑なスケジュール管理が可能となる。

CA Technologiesによるクラウド全体イメージ

 なお、同社では、「CA Clarity PPM On Demand」の投入にあわせて、オンデマンド専任組織を新設した。この組織は、営業および営業技術を集約し、クラウドに関するさまざまな顧客ニーズに柔軟に対応していく。マーケティング戦略としては、ITガバナンスと新製品開発の2分野にフォーカスするとともに、コミュニケーションツールの一環として、新たにブログサイトとTwitterサイトを開設し、PPMソリューションの啓発活動にも力を注ぐ。

 拡販に向けては、「既存パートナーとの協業体制をさらに強化する一方で、新規コンサルティングパートナーの開拓を進めていく。将来的には、PPMソリューションだけでなく、エコガバナンスやサービスデスク、インスタントリカバリーなどの製品もクラウド専用ソリューションとして投入し、ラインアップを拡大していく」(アルフォード氏)考えを示した。

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(唐沢 正和)
2010/7/15 16:46