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キヤノンMJ、医用画像をクラウド上で閲覧・保管・管理できる「医用画像システムサービス」

 キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)は12日、医用画像クラウドサービス基盤「Medical Image Place」を拡充すると発表した。医療施設内の医用画像をクラウド上で閲覧・保管・管理できる「医用画像システムサービス」を、4月15日より開始する。

 昨今の診療報酬改定を機に、CTやMRIといった高度な画像診断機器の共同利用が推進され、地域医療連携のニーズが高まっているほか、医療施設内で発生する医用画像データ量の増加に伴い、保管が義務付けられている医用画像データを医療機関内で保管、管理する負荷が増大している。

 こうした背景の中でキヤノンMJが提供する「医用画像システムサービス」は、医用画像クラウド基盤のMedical Image Placeを利用し、医療施設内の医用画像をクラウドサービス上で扱えるようにするもの。医用画像を簡単に連携、共有できるようにするという。

 具体的には、医師はCTやMRI、X線撮影装置などで撮影した患者の検査画像をクラウド上で保管でき、必要に応じてクラウド上から医用画像を閲覧可能。医用画像の閲覧は、キヤノンが提供する「統合医療画像管理システム」の画像俯瞰機能を活用することで、画像種別と時系列のマトリックスで表示できる。

 また、Medical Image Place専用端末を施設内に設置することにより、クラウドの通信形態が各省庁のガイドラインに準拠した高度なセキュリティ環境を構築できる点も特徴。さらにクラウド型で提供するので、従来の設置型PACS(医用画像管理システム)で必要な、サーバー、ソフトの購入や複雑なネットワーク構築、保守サービスの加入などが不要になる。

 なおキヤノンMJは今後、Medical Image Placeをプラットフォームに、3D医用画像解析技術を活用した診断支援アプリや、製薬メーカーおよびCRO(治験画像読影)向けに特化したサービスなどを順次提供していく計画だ。

石井 一志