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シーエー・モバイル、OpenStack基盤でトラフィック需要の変化に対応できるスケーラブルなインフラを構築

Red HatとDellのOpenStack製品を採用

 レッドハット株式会社とデル株式会社は11日、株式会社シーエー・モバイルが、Red HatとDellのOpenStackクラウドソリューションを採用したと発表した。シーエー・モバイルでは、サーバーのデリバリ速度を大幅に早め、OSのインストールおよびサーバープロビジョニングにかかる時間を、当初の半日から10分に短縮したという。

 株式会社サイバーエージェントの子会社であるシーエー・モバイルは、モバイルインターネットビジネスサイトの開発を行うほか、広告事業、コンテンツ事業などを展開している。その同社では、人気アーティストのモバイル戦略やWebサイトの構築・運用を多数サポートしているため、自社で構築したインフラ環境の稼働を維持しつつ、環境の変化とトラフィックの急増に迅速に対応できる、最新のインフラを構築する必要があったとのこと。

 従来、シーエー・モバイルはシステムのほぼすべてをオンプレミスの物理サーバーで運用していたが、このままではダイナミックなトラフィックの増加に追従できないと判断。Webトラフィックの急激な増大による環境変化に対して、手作業での介入やひんぱんなメンテナンス作業なしで自動的に対応できるインフラを必要としていた。

 そうした中、オープンソースのクラウド基盤であるOpenStackに着目した同社は、インフラカスタマイゼーションおよびオートスケーリング機能が決め手となり、商用ディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) OpenStack Platform」を使用したリファレンス・アーキテクチャ「Dell Red Hat Cloud Solution」の導入を決めた。ハードウェアとしては、デルのx86サーバー「Power Edge R630」およびストレージアレイ「PS6210S/PS4100」が採用されており、人気アーティストのWebサイト用のプラットフォームとして、すぐに本番環境での稼働を開始している。

 このOpenStackインフラ実装の第1の目標は、OpenStackのオーケストレーションサービスである「Heat」を活用し、複数の仮想マシンを備えた環境を自動構築するオートスケーリングの実現だったが、レッドハットのコンサルタントとの共同作業により、複雑なオートスケーリングの実現という目標を短期間で達成したとのこと。

 さらにシーエー・モバイル インフラシステムグループのメンバーは、レッドハットのトレーニングを利用し、OpenStackのスキルを習得。トレーニング開始からわずか5日で、Red Hat OpenStack認定資格を取得したとしている。

石井 一志