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日本IBM、基幹データとデジタルビジネスをつなぐ新メインフレーム「IBM z13s」

APIエコノミーやリアルタイム分析を支えるハイブリッドクラウド基盤に

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は17日、基幹データとデジタルビジネスをつなぐ新しいミッドレンジ・メインフレームサーバー「IBM z13s」を3月10日より出荷開始すると発表した。

 今回の新製品は、近年急速に市場規模が拡大しているデジタルビジネスに最適化したメインフレーム。特に、昨今注目を集めている新たなビジネス商圏「APIエコノミー」、および基幹データとビッグデータを融合したリアルタイム分析を実現するハイブリッドクラウド基盤としての用途にフォーカスした製品となっている。

ミッドレンジ・メインフレーム・サーバー「IBM z13s」

 日本IBM 理事 IBMシステムズ・ハードウェア事業本部 ハイエンド・システム事業部長の朝海孝氏は、「APIエコノミーは、企業がデジタル化された情報資産をAPIとして公開し、利用者が公開されたAPIを活用して、付加価値を高める新たなサービスを開発・提供することで生み出されるビジネス商圏。今後の企業の組織変革やエコシステムの構築、製品やサービスの収益化の原動力になると期待されている。しかし、企業が顧客データなどの情報資産をAPI公開するためには、セキュリティやインフラ構築の課題を解決する必要がある」と指摘。

日本IBM 理事 IBMシステムズ・ハードウェア事業本部 ハイエンド・システム事業部長の朝海孝氏

 「『IBM z13s』では、メインフレーム上にある基幹データをセキュアに外部サービスと連携することが可能で、企業は基幹データを中核としたAPIエコノミーによって新たな収益モデルを確立することができる」と、APIエコノミーを最大限活用できるハイブリッドクラウド基盤を実現するという。

 「また、リアルタイム分析では、従来の基幹系DBに記録される取引履歴や顧客情報だけでなく、SNSへの書き込みや位置情報などのビッグデータも融合して、リアルタイムに分析することで、顧客に新たな商品やサービスを提案していくことが求められる。最新テクノロジーを採用し、大幅にパフォーマンスを向上した『IBM z13s』では、さまざまな種類のデータベースに格納されている基幹データとビッグデータを融合し、メインフレーム内の同一プラットフォーム上で、高度にリアルタイム分析することができる」(朝海氏)としている。

APIエコノミーを支えるハイブリッドクラウド基盤
リアルタイム分析を実現する「IBM z13s」

 「IBM z13s」の大きな性能強化としては、従来機「IBM zBC12」に比べてトータルキャパシティを43%向上している点が挙げられる。日本IBM IBMシステムズ・ハードウェア事業本部 IBM z Systems エバンジェリストの鮫島範行氏は、「『IBM zBC12』と比較して、最大メモリ容量は8倍の4TB、I/Oバンド幅は50〜80%増の352GB/Sec、最大処理能力は1.43倍の7123PCIを実現している。このほかに、チャネルスピードとキャッシュ容量も2倍に向上している」と説明する。

日本IBM IBMシステムズ・ハードウェア事業本部 IBM z Systems エバンジェリストの鮫島範行氏
「IBM z13s」のキャパシティ

 また、数多くの最新テクノロジーを採用しているのも特徴で、「『IBM z13s』では、究極のIT基盤を支える技術として、TCP/IPを超えた高速通信を実現するSMC-D(Shard Memory Communications - Direct Memory Access)、z Systemsのさまざまな機能をソフトウェアアプライアンスで提供するzACI(z Appliance Container Infrastructure)、クラウド基盤を直感的に管理できるDynamic Partition Manager、同時マルチスレッド(SMT)に対応したデータベース専用処理エンジンzIIPなどを活用している」(鮫島氏)という。

 さらに、暗号化機能も大幅に強化しており、暗号化と復号化のパフォーマンスを従来機(IBM zBC12)比2倍に高速化している。また、z/OSでIBM Multi-factor Authentication for z/OS(MFA)による多要素認証が利用できるようになった。多要素認証を追加することで、特権ユーザーがシステムにアクセスする場合でも、PINやランダムに生成されるトークンなどの入力が必要となり、セキュリティをさらに向上できる。

 今後の販売戦略について、朝海氏は、「『IBM z13s』を軸にして、ソリューション・インテグレーションを加速していく。具体的には、ハイブリッドクラウドのショーケースを開発し、実践する。また、リアルタイム分析とAPIエコノミーをインダストリーソリューションに同化させ、提案を行っていく。さらに販売体制も強化し、Linux専門の営業部隊を設立する。Linux on z SystemとLinux on Powerを同じ組織で扱い、拡販展開を推進していく」との考えを示した。

(唐沢 正和)