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1日25億トランザクションを処理できる――日本IBM、メインフレーム新製品「z13」

 日本IBMは15日、メインフレーム新製品「IBM z13」を発表した。

 「モバイルを中心としたデジタルテクノロジーが生み出す数兆単位のトランザクションを高速に処理するとともに、トランザクション処理を行いながらデータ分析を効率的かつセキュアに実現するシステム」と説明。10億ドル以上の投資、5年の開発期間、500以上の新しい特許技術の成果としている。

IBM z13

 主な仕様としては、最大141コア(111,556MIPS、コアあたり1695MIPS)、最大10TBメモリ、前モデル(zEC12)比でプロセッサ処理能力(MIPS)を40%、暗号化処理性能を約2倍に向上。1台で最大8000の仮想サーバーを稼働できる。

 特徴としては、1日25億トランザクションの処理能力を有し、2015年までに1日40兆ものトランザクションを発生すると予測されるモバイルトランザクションの爆発的な増加に対応するという。モバイルからのトランザクションの1つ1つは、コンピューティングシステム全体にわたって次々にイベントを発生させるため、モバイル端末が増えるに従って、システム間を行き交う処理は加速度的に増加する。z13はリアルタイム暗号化でデータを保護するとともに、最大10TBメモリを活用することで処理時間の大幅な短縮を実現する。

 また、ベクトル処理アナリティクスの機能を搭載。トランザクションのリアルタイム分析を可能とし、トランザクションの発生と同時に不正を発見することで、たとえば金融機関は消費者が被害を受ける前にトランザクションを停止できるという。不正検知のためのリアルタイム・スコアリングを搭載している。

 加えて、IBMの予測分析モデリング技術およびSPSSを活用することで、顧客の購買傾向を瞬時に把握し、顧客が店舗を離れる前、あるいは店舗に入る前にアップセルやクロスセルといった販促活動を提案するのにも、IBM z13のパワーが貢献するという。

 そのほか、高い可用性とセキュリティの能力を有するz13は、プライベートクラウドやハイブリッドクラウドにも最適なアーキテクチャと訴求。最大8000(コアあたり50以上)の仮想サーバーを稼働させることで、ソフトウェア、電力、設備のコストを抑えられるとしている。

川島 弘之