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ネットワールド、IE8ベースの基幹システムを互換プラウザとアプリ仮想化で延命

 株式会社ネットワールドは16日、Internet Explorer(IE)互換ブラウザ「LIBRA(ライブラ)」と「VMware ThinApp」による仮想化を用いて、IE8ベースの自社基幹システムを低コストで延命するプロジェクトに成功したと発表した。

 ネットワールドの基幹システム「CUVE」は、株式会社OSKが提供するERPパッケージ「SMILE ie」をベースに構築されており、クライアントがIE8までしか対応していない。IE8は2016年1月13日(日本時間)にサポートが終了してしまうため、システムの利用環境をどうするかが課題になっていたという。

 ネットワールドでは、社内限定でIE8の継続使用も検討したが、外部アクセスが可能なWebブラウザの旧バージョンを継続使用するにはセキュリティ面で問題がある。しかし、CUVE本体を改修するには、数千万円の費用が必要と見積もられていた。

 そこで、移行費用をできるだけ抑えつつ、従来通りの業務環境を維持できる方策として自社開発のIE8互換ブラウザ「LIBRA」の利用を選択した。「LIBRA」は、事前に信頼済みサイトに登録したサイトのみアクセス可能とする仕組みを備え、通常のインターネット接続を制限できるため、特定の業務アプリケーション専用のブラウザとして、セキュリティリスクを回避しつつアプリケーションを継続利用できるとのこと。

 また、画面表示だけの問題であれば「LIBRA」単体でも解決できるが、実際のWebアプリケーションは、ActiveXなどで作られたプログラムが動作しており、「CUVE」のベースとなるERPパッケージにさまざまなカスタマイズが加えられていたため、アプリケーション仮想化製品である「VMware ThinApp」を組み合わせ、互換性の問題を解決した。

 「CUVE」本体にはまったく手を加えていないので、移行コストは全面改修を行う場合の約1/10で済み、構築期間も2カ月程度の短期間で移行を実現した。また、販売・調達・会計などの基幹業務を行う社内のユーザーは、「ThinApp」で作成したexeファイルをファイルサーバーからダウンロードするだけで利用できるため、社内展開も迅速に行えたとしている。

 なおネットワールドは、エンドユーザーのアプリケーション移行・延命のニーズに対応可能な体制を確立するために、ジャパンシステム株式会社との協業を開始しており、今回の自社プロジェクトも、同社との協業により実施した。両社では今回のプロジェクトの成功実績を踏まえ、「LIBRA」と「ThinApp」によるアプリケーション延命ソリューションの提案を強化する意向だ。

石井 一志