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3万円台でも法人向けに必須な機能全部入り、エレコムが法人向けNAS新ブランド、10シリーズ/39製品を発表

 エレコム株式会社は27日、法人向けNASブランド「NetStor」「DataStor」を発表した。10シリーズ/計39製品を12月~2016年2月に順次発売予定。

法人向けNASブランド「NetStor」と「DataStor」

エントリーモデルでもぬかりなく法人が必要な機能を網羅

 NetStorは、OSにLinuxを採用。20人規模の事業所に対応する1ベイのエントリーモデル「NSB-3NR1MLVシリーズ」から、100人規模の事業所に対応する4ベイの「NSB-76S4BLシリーズ」およびラックマント対応の「NSB-76S4RLシリーズ」まで、規模に応じた幅広いラインナップを展開する。

 すべてのモデルに、米WDのNAS向けHDDブランド「WD RED」のHDDを採用するほか、ハードウェアによるデータ暗号化(AES 128bit)をサポートし、エントリーモデルでも100MB/secの転送速度を確保している。また、法人向けでは必須のレプリケーション、フェイルオーバーに対応し、NAS内のデータを常に同期・バックアップ可能。AzureやOneDrive、Dropbox for Businessなど、7種類のクラウドサービスと連携したバックアップにも対応する。

 外出先からNASにアクセスできるリモートアクセス機能や、ActiveDirectoryに対応。USBポートを装備し、USBメモリのデータをボタン1つでコピーできる「USBダイレクトコピー機能」を備えるほか、UPSとUSB接続することで、停電時にNASのシャットダウン処理を自動的に行うことができる。内部に使用している部品は、40℃環境で5年動作に十分耐えるグレードのものを選定しているという。

 また、発生したイベントや状態を表示する液晶インジケーター、HDDの自己診断機能「S.M.A.R.T.」によるディスク管理、メールによる状態通知、ウェブUIなど管理機能を充実。管理ツールは専門知識がなくても操作可能で、タブレットなどでの設定に配慮したレスポンシブデザインのUIと、従来のUIの2通りを用意している。

 2ベイモデル以上では、電源を落とさずに故障したHDDを交換できるホットスワップに対応する(一部のRAID構成を除く)ほか、スペアのHDDに交換すると自動的にドライブ構成の再構築を実行するオートリビルド機能を搭載している。なお、1ベイモデルでHDDが故障した際はメーカー修理対応となる。

 ラインナップと価格(以下、すべて税別)は、20人規模の事業者向けの1ベイモデルとなる「NSB-3NR1MLVシリーズ」では、1TBモデルが3万4800円、2TBモデルが3万9800円、3TBモデルが4万4800円、4TBモデルが4万9800円。

 同じく2ベイモデル「NSB-3MS2BLVシリーズ」では、1TBモデルが4万9800円、2TBモデルが5万9800円、3TBモデルが6万9800円、4TBモデルが8万9800円。

「NSB-3NR1MLVシリーズ」
「NSB-3MS2BLVシリーズ」

 50人規模の事業所向けの2ベイモデル「NSB-5MS2BLシリーズ」では、2TBモデルが6万9000円、4TBモデルが9万9000円、6TBモデルが12万8000円、8TBモデルが15万8000円。

 同じく4ベイモデル「NSB-56S4BLシリーズ」では、4TBモデルが12万8000円、8TBモデルが15万8000円、12TBモデルが19万8000円、16TBモデルが22万8000円。

 100人規模の事業所向けの4ベイモデル「NSB-76S4BLシリーズ」では、4TBモデルが13万8000円、8TBモデルが17万8000円、12TBモデルが21万8000円、16TBモデルが24万8000円。

 同じくラックマウント対応の4ベイモデル「NSB-76S4RLシリーズ」では、4TBモデルが16万5000円、8TBモデルが19万3000円、12TBモデルが24万8000円、16TBモデルが29万2000円。

「NSB-5MS2BLシリーズ」「NSB-56S4BLシリーズ」「NSB-76S4BLシリーズ」は同じ筐体を使用
「NSB-76S4RLシリーズ」
現在の法人向けモデルの課題として、コスト面を指摘。法人が導入したNASの44%が、コスト面からコンシューマー向けモデルだとしており、それらは法人が必要とするスペックを満たしていないという
法人での運用に適切なスペックを採用しつつ、リーズナブルな価格で提供するNASブランドとして「NetStor」を新設した

「Windows Storage Server 2012 R2」採用のラックマウントモデルなども

 DataStorでは、「Windows Storage Server 2012 R2」を採用。2Uラックマウント対応モデルと、4ベイのキューブ型モデルの2種類をラインナップする。

 2Uラックマウントモデルは、登録ユーザー数に制限のない「Windows Storage Server 2012 R2 Standard Edition」を採用。CPUはIntel Core i3プロセッサ(Haswell世代、3.5GHzデュアルコア)を採用。メモリは8GBを搭載するほか、HDDには、WD REDのパフォーマンスを高めた「WD RED Pro」を採用している。

 1000BASE-Tに対応したLANポート×4を備え、複数のLANケーブルを使用したネットワークの冗長化、高速化に対応。また、コンデンサーは日本製のみを使用するほか、550Wの電源を2基搭載し、24時間の連続稼働を考慮した設計になっている。USBポートを使用したUPS連動のシャットダウン機能も備える。

 「NSB-96S12RWSシリーズ」は、HDDベイ9台とSSDベイ3台の合計12ベイ構成。SSDには、エレコムグループのハギワラソリューションズ製高耐久モデルを採用し、記憶域プール(3方向ミラー)でSSDをキャッシュとして利用している。ラインナップと価格は、18TBモデルが89万8000円、27TBモデルが99万8000円。

 12ベイすべてにHDDを搭載した「NSB-96S12RWシリーズ」は、ハードウェアRAIDに対応し、RAID 0/1/5/6/10/50/60をサポート。ホットスワップに対応するなど、メンテナンス性も確保している。24TBモデルが89万8000円、36TBモデルが99万8000円、48TBモデルが128万円。

「NSB-96S12RWシリーズ」
「NSB-96S12RWSシリーズ」は、ハギワラソリューションズ製高耐久SSDを採用

 4ベイのキューブ型モデルは、Windows Storage Server 2012 R2 Standard Editionのほか、登録可能ユーザー数50台の「Windows Storage Server 2012 R2 Workgroup Edition」搭載モデルもラインナップする。いずれもHDDにはWD REDを採用し、国内工場でスクリーニング試験を実施している。「システムリカバリー機能」により、データエリアを維持したままOS領域だけの初期化に対応する。1000BASE-T対応のLANポート×2のほか、USB 3.0ポート×2、UPS接続用のシリアルポートを搭載する。

 静音性に配慮しつつ強力な冷却ファンを装備。本体前面には防塵フィルターを搭載し、長期間利用に対する堅牢性を強化した。また、背面の冷却ファンは交換可能。前面に基本情報を表示する液晶パネルを備え、イベント発生など日本語で表示する。

 ラインナップと価格は、Standard Edition搭載モデルの「NSB-75S4CS2シリーズ」では、4TBモデルが27万円、8TBモデルが30万円、12TBモデルが34万円、16TBモデルが39万円、24TBモデルが50万円。

 Workgroup Edition搭載モデルの「NSB-75S4CW2シリーズ」では、4TBモデルが19万円、8TBモデルが21万円、12TBモデルが25万円、16TBモデルが30万円、24TBモデルが40万円。

法人が安心して使えるサポート・保守サービス

 保守サービスは、エレコムのサービス拠点の技術者がユーザー先に訪問して修理する「オンサイト保守」、コールセンターへの連絡で原因の切り分けを行うことで、交換用スペアドライブや代替機を配達する「デリバリー保守」、保証期間を標準の3年から5年に延長するとともに、保証期間終了後も導入から最大5年間、故障した機器を送付することで修理完了後に返送してくれる「センドバック保守」をメニューとして用意している。

 エレコムが提供する「デリバリー保守メニュー」を活用し、販売店が独自のオンサイト保守メニューを構築する「自営保守」もサポート。導入から保守までワンストップで依頼したいユーザーに対して、販売店が独自にカスタムしたメニューを提案できる。エレコムは、保守パーツの提供やエンジニア派遣などで販売店をサポートする。販売店を対象としたハンズオントレーニングも毎月10回程度実施しているという。

 また、外部委託などではないエレコム社員130人で構成されるサポートセンターを設けており、ユーザーのトラブルへの対処や、ユーザーから上がってきた声を開発部隊に直接フィードバックする体制を整えている。サポートセンターでカバーしきれなかったトラブルは、開発直属のフィールドエンジニアによる「FAEサポート」が担当。現地調査を行い、トラブルの解決に図るという。

サポート・保守サービスを強化
技術者が訪問する「オンサイト保守」のほか、「デリバリー保守」「センドバック保守」を最長5年サポート
販売店によるカスタムの保守サービスも提供可能
サポートセンターは自社に設置、開発直属の「FAEサポート」も

山川 晶之