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富士通、デジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc」を発表

新クラウドサービス「K5」など商品・サービス6種を販売開始

 富士通株式会社は29日、クラウド、モバイル、ビッグデータ、IoTなどの先端技術を実装したデジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc」を提供すると発表した。MetaArcを構成する商品提供の第一弾として、クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」などの新商品・サービス6種を、9月29日から販売開始する。

FUJITSU Digital Business Platform MetaArc

 「MetaArc」は、モバイル、ビッグデータ、IoTなどの最先端技術と、富士通SEの知見・ノウハウを融合したデジタルビジネス・プラットフォーム。顧客企業のビジネスプロセス革新や新ビジネス創造などのデジタル革新を実現するシステムと、基幹システムなど従来の情報システムを、同一のプラットフォーム上で実現するとしている。

 新サービスとしては、クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」の提供を開始。柔軟性を向上させるシステム自動構築機能や、アプリケーション基盤機能、業種・業務特有の部品サービスやテンプレートなどのPaaS機能を備え、データセンター内で物理的に独立した環境を提供するマルチアベイラビリティゾーンやセキュリティグループ機能などにより、多様なシステムに適用可能なIaaS機能を提供する。

 サービスは、企業の業務やシステム要件に応じて、「Public Cloud(仮想共有)」「Virtual Private Hosted(仮想/物理専有)」「Dedicated(クラウド基盤専有)」「Dedicated on-premise(クラウド基盤専有、顧客がデータセンター設置)」の4つの形態で提供。価格は、「Public Cloud」が仮想マシン1時間あたり10.37円(税別)から、他は個別見積もり。提供開始時期は、「Public Cloud」「Virtual Private Hosted」が12月1日、「Dedicated」「Dedicated on-premise」が2016年度第1四半期。

 従来提供している仮想化・プライベートクラウド向け垂直統合型商品「PRIMEFLEX for Cloud」には、「K5」と同一のアーキテクチャーを採用した新たなモデルを追加。仮想・プライベートクラウド環境の短期導入や安定稼動に加え、クラウドサービスとの間でアプリケーション資産やデータの相互移行を実現する。販売価格は個別見積もり。提供開始時期は12月28日。

 業務集約ミドルウェアとしては「FUJITSU Software Interstage Application Server」など6商品を提供。企業システムにおけるオンライン業務、バッチ業務、データベースの実行環境をマルチテナント化することで高密度に業務集約する機能と、CPU、メモリなどのリソースを効率的に活用するための運用管理機能により、業務ピークや可用性を考慮したマルチテナント集約と、クラウド移行における運用効率化やコスト削減を実現する。価格は、「FUJITSU Software Interstage Application Server Enterprise Edition Consolidation Option V11」が120万円(税別)など。提供開始時期は10月30日。

 モバイル活用基盤「FUJITSU Cloud Service MobileSUITE」では、従来提供しているモバイルアプリケーション・コンテンツ・端末の管理機能に加え、プッシュ通知・ストレージ・音声認識機能などのモバイルアプリケーション開発に利用可能な汎用機能や、業務システムとモバイルアプリケーションを効率的につなげるためのシステム連携API管理/APIゲートウェイ機能などを「業務システム連携オプション」として新たに提供する。販売価格は個別見積もり。提供開始時期は12月1日。

 IoTデータ活用基盤サービス「FUJITSU Cloud Service IoT Platform」では、新たに「ダイナミックリソースコントローラー」機能を搭載。広域ネットワーク上に配置されたデータ処理を行う全てのリソースを自動的に制御することで、利用環境の変化に応じた最適なサービス実行状態を維持する。大規模なIoTシステムにおける突発的な通信量の増加などIoT特有の課題に都度対処する必要がなく、安定してリアルタイムなサービスを実現できる。販売価格は初期費用5万円(税別)、利用料月額5万円(税別)から。提供開始時期は2016年2月29日。

 また、オンプレミスからクラウドまでの幅広いシステムに対し、企画から設計、移行、運用までライフサイクルに応じたマネージドサービス「Hybrid IT Services」として体系化し、提供する。販売価格は個別見積もり。提供開始時期は12月1日。

 富士通では、社内実践を通じて「MetaArc」の機能改善や品質向上に取り組むとともに、「MetaArc」をグローバルなプラットフォームとして位置付け、日本を皮切りに欧州、米国、アジア、オセアニアに順次展開していくとしている。

三柳 英樹