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Webフィルタもアプリ制御も“柔軟”に、ALSIがスマホ保護の新サービス

和田秀之氏

 アルプスシステムインテグレーション株式会社(以下、ALSI)は、スマートデバイス向け総合セキュリティサービス「InterSafe MobileSecurity」を6月1日から提供する。

 スマートデバイスに対するWebフィルタリング、アプリ利用制御、ポリシー違反・挙動検知、ファイアウォール、MDMなどのセキュリティ機能を一括で提供するクラウド型サービス。対応デバイスはiOS 7系/8系。Androidにも順次対応させる。

 特長は、VPN(IPsec-VPNと拠点間VPN)の機能を備え、トンネリングされた通信すべてにセキュリティ機能を適用するため、スマートデバイスの利用について一括してセキュリティ管理が行える。

InterSafe MobileSecurityの特長

 最大のメリットは、ブラウザでフィルタリングを行うのではなく、VPNで経路を限定しその通信にフィルタリングを適用するため、Webブラウザの種類を問わないこと。専用ブラウザが不要で、Safariなどの標準ブラウザもアプリ内ブラウザもすべてフィルタリングの対象にできる。

 ビジネス企画部 プロダクト企画課 マネージャーの和田秀之氏によれば「Webフィルタリングに専用ブラウザを利用するケースでは、グループウェアなどのWebアプリを利用する際にエラーとなることが度々あるが、Safariならスムーズにアクセスできる。またiOSの仕様上、メールのURLリンクを直接開けるのもSafariのみなので、そのような業務もスムーズに行える」とのこと。

専用ブラウザが不要で、あらゆるブラウザに対応
専用ブラウザを使うケースでは、Webアプリでエラーが生じる場合も

 Webフィルタリングのカテゴリは147種類。SNSや掲示板への閲覧は許可し、書き込みのみ規制するといった運用のほか、情報漏えいや私的利用リスクの高い単語を登録することで、検索・書き込みをキーワード単位でブロックすることが可能。新規取引先など、業務で使用するサイトへのアクセスを管理者に許可してもらうための「規制解除申請」も画面上から容易に行える。HTTPSのWebサイトに対してフィルタリングでマッチングするためのHTTPSデコード機能もオプションも提供される。

Webフィルタリング機能の特長

 MDM機能も特長の1つ。端末管理、アプリ管理、紛失対策など基本的な機能を備え、デバイスに2つのプロファイルを入れるだけで利用でき、こちらも専用アプリは不要だ。中でも「アプリ制御の柔軟性」が強み。一般的なMDM製品は「アプリストアの利用禁止」によってアプリを制御するため、必要なアプリの追加インストールやバージョンアップも一切不可能となるが、InterSafe MobileSecurityでは管理者が設定したホワイトリスト/ブラックリストに応じて、業務に不要なアプリだけ個別に制御できるという。ポリシー違反のデバイスにはさまざまなアクションが適用でき、一時的に「隔離状態」にして、アプリインストールやWeb閲覧をブロックする運用も可能だ。

 加えて、拠点間VPNオプションを利用すれば、社外のスマートデバイスから社内システムへ接続することも可能となる。

拠点間VPNオプションで社内システムにアクセス可能に
InterSafe MobileSecurityの価格。「オプション含めても求めやすい価格帯」(ALSI)

 昨今、業務効率の改善やコスト削減を目的に、企業でスマートデバイスの導入が進んでいる。しかし、勤務時間内における業務に関係ないサイトの閲覧や、SNSや私的アプリの利用による情報漏えいといったリスクが生まれるのも事実。そうした対策にスマートデバイス向けのセキュリティ製品を導入する企業も増えている。期待する機能としては「さまざまなセキュリティ機能を一括で」「OSに関係なくすべての端末を一括で」「使い勝手がいい」などが挙げられており、今回の新サービスはこうした要望に応えるものとなる。

川島 弘之