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日本マイクロソフト、クラウドベースのBIツール「Power BI」を無償で提供〜ビッグデータの民主化加速へ

 日本マイクロソフト株式会社は24日、ビッグデータの取り組みに関する記者説明会を開催した。「マイクロソフトはビッグデータの民主化を推進する」(日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 クラウドアプリケーションビジネス部 部長 斎藤泰行氏)として、ビッグデータ分析が可能なクラウドベースのツール「Microsoft Power BI」を無償で提供すると発表した。

 Power BIは、これまで「Microsoft Excel Professional Plus」および「Office 365 ProPlus」に備わっていたBI機能。こうしたExcelの企業向けバージョンを利用していないユーザーでも、クラウドベースのPower BIにて無償でビッグデータを活用するための機能が利用できるようになる。Webサイトにて登録すれば、同日よりプレビュー版が利用可能だ。

 斎藤氏によると、ビッグデータの民主化とは、ビッグデータを活用する人のすそ野を広げること。同氏は総務省の調査から、「ビッグデータを活用できていない理由として最も多かったのは、費用対効果がわかりにくいことや、データが散在していて分析できないこと、どのように分析していいのか、また利用していいのかわからないことなどが挙げられている」と指摘、データ活用率が低い背景に技術的障壁と経済的障壁があるとした。

 そこでマイクロソフトでは、技術的障壁をなくすため、多くのオフィスワーカーが利用しているExcelにBI機能を追加、幅広いユーザーがビッグデータを活用できるようにしている。今回はもう一方の経済的障壁を下げるため、Power BIの無償提供に踏み切った。

日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 クラウドアプリケーションビジネス部 部長 斎藤泰行氏
データ活用の障壁となるもの
Excelにデータ活用機能を追加して技術的な障壁を解消したマイクロソフト
Power BIの無償提供で経済的な障壁も解消

 Power BIでは、Microsoft SQL ServerやMicrosoft Accessといったマイクロソフト製品はもちろん、Oracle DatabaseやIBM DB2など他社製品も含めさまざまなデータベースからデータを収集可能で、Web上でデータを分析し、可視化および共有できるようになる。クラウドアプリケーションのため、Windows端末のみならずMac OSやその他モバイル端末でも利用可能だ。

 Power BIのインターフェイスは、一般的なExcelと大きく変わりなく、Excelを使い慣れているユーザーであれば抵抗なく利用できる。「こうして見ると裏でビッグデータを分析しているようには見えないが、それこそがまさにビッグデータの民主化だ」と斉藤氏は述べている。

 マイクロソフトでは、ビッグデータの民主化に向けた取り組みとして、企業買収にも積極的だ。例えば米国時間1月23日には、統計や分析といった分野でよく使われるR言語のソフトウェアおよびサービスを提供しているRevolution Analyticsの買収を発表。また、同4月14日には、モバイルBIツールを提供するDatazen Softwareの買収を発表したばかりだ。買収のほかにも、2月にはクラウドベースの予測分析サービス「Azure Machine Learning」の一般提供を開始するなど、利用ユーザーや利用シーンの拡大とデータ活用レベルの向上に努めており、斉藤氏は「ビッグデータの民主化というビジョンを完成させるための動きを今後も加速させる」としている。

 今回のPower BIの無償提供もこうした取り組みの一環となるが、フリーミアム戦略の背景で同社はビッグデータ活用ビジネスの収益拡大を目指している。「ツールの無償提供やさまざまなデバイスで利用できるようにすることは、ビッグデータ活用のすそ野が広がることを意味する。すそ野が広がれば、ビッグデータを流通させるためのサプライチェーンが必要になる。マイクロソフトは、そのサプライチェーンをサービス化してAzureで提供していきたい」と斉藤氏は述べ、ビッグデータのサプライチェーン基盤を提供することで同社の収益拡大を目指すとした。

Power BIの画面
ビッグデータの民主化に向けたマイクロソフトの取り組み

(藤本 京子)