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同志社中学、全館に高速無線LANを導入、iPad学習を加速

 株式会社フルノシステムズは26日、同志社中学校の全教室に「高速無線LAN」を導入したと発表した。同校の生徒が主体的に学ぶ「教科センター方式」に対応し、どの専用教室からでもインターネットにアクセスでき、授業をストップさせない「安定してつながる無線LAN」環境を構築したという。2014年8月からテスト稼働を開始し、調整期間を経て、全校舎のWi-Fi環境の整備が完了した。

システム構成

 同校では、2012年に20台のiPadを借りて、1台のWi-Fiルーターに10台程度接続し、英語の授業を2カ月間(18時間)実施する検証実験を行った。その結果、学習に対する生徒のモチベーションが上がり、デジタル教材を通じて生徒の理解度も高まるなど、一定の効果を得ることができたという。この結果を踏まえ、2013年には40台のiPadを導入し、2014年度新入生から1人1台環境に移行することを決定した。

 無線LAN環境については、元々校舎を移転した2010年度から図書・メディアセンターには構築されていたが、限定されたエリアでの活用だったため、校舎全体でタブレットを稼働できる状態ではなかった。「教科センター方式」を採用することもあり、どの教室からでもiPadを手軽に使える必要があったため、今回のシステム導入に至った。

 要件は、全教室でさまざまなコンテンツを利用したときに安定した通信インフラを実現でき、かつ運用管理が容易なこと。ICT委員会にてこれらを検討し、最終的にフルノシステムズの無線LANソリューションを選定した。

 アクセスポイントは、生徒用として立志館に37台(1F10台、2F14台、3F13台)、想遠館に9台(1F4台、2F5台)、宿志館の2F音楽室に1台。教師用として、各教科ステーションに16台設置しており、計63台が稼働している。サーバー室では、無線ネットワークツールによる集中管理を実現。生徒が教室を移動する場合でも、高速ローミングのため、どの場所でも途切れることなくアクセスできる環境が整っている。

 全館に無線LANが整備されたことで、タブレットを活用した授業もスムーズに行え、iPadを“思考ツール”として利用できているとのこと。

国語科 教科専用教室
タブレット授業活用シーン

 同志社は、1875年に新島襄によって創立されたキリスト教主義の学園。現在は同志社大学、同志社女子大学のほか、小学校、国際学院、幼稚園など9学校を擁す。同志社中学校には877名の生徒が在学。最近では「教科センター方式」×「iPad」×「ICT」の3つの基軸を融合した新たな「学びのNEXT STAGE」をめざしている。

川島 弘之