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大画面テレビへの動画表示が可能なAP、フルノシステムズが文教向けに発売へ

 株式会社フルノシステムズは13日、大画面テレビに動画表示可能な文教市場向け無線LANアクセスポイント(AP)「ACERA Education」2機種を発売した。6月から順次販売する。

 新製品は、2.4GHz/5GHz帯およびIEEE 802.11n/a/b/g対応の「ACERA 850M」(6月発売)と「ACERA 850F」(9月発売)の2機種。多台数接続や電波干渉に強い「ACERAシリーズ」において、文教市場でのWi-Fi環境のニーズの高さを認識し、従来のAPの性能を維持しながら、大画面テレビや電子黒板などに動画表示できる新機能を搭載し、新たに「ACERA Education」として立ち上げたのが特徴となる。

【右】ACERA 850M、【左】ACERA 850F

 利点は3つ。1点目は、先生のPC上の映像や生徒のタブレット上の映像をWi-Fi経由で大画面テレビに映せること。これにより、ケーブルにとらわれず、先生の授業行動範囲を広げて、生徒全体の様子を見ながらその思考に合わせた授業進行を可能にするという。

 2点目は、業務用APとして、生徒40人のクラスでもしっかり接続できる「つながる無線LAN」であること。授業を止めない、安定してつながる無線LANインフラは学校で必須と訴求する。

 3点目は、APの集中管理が可能なこと。学校でのAPが多台数になると、APそのものを管理する必要が出てくるが、そのための機能が充実している。

 ACERA 850MとACERA 850Fの違いは、動画の転送方式。前者はストリーミングモデルで、動画・静止画をそのまま大画面テレビに表示できる。後者はファイル転送モデルで、静止画はストリーミングできるが、動画ファイルは一時的にAP側にデータをバッファリングしながら大画面テレビに転送する。このため、先生が使っているPCは動画転送中も操作でき、生徒に動画を見せながら、次に見せる授業コンテンツを準備することが可能。授業スタイルに応じて使い分けることで、「誰にでも分かりやすい授業」を実現するという。

 フルノシステムズは将来的に、さまざまな教育用ツールと連携しながら、より活用しやすいシステムとして文教市場に提供していく予定。従来のAPに今回の動画機能をプラスすることで、文教市場のAPとしてデファクトスタンダードにしたい考え。

 価格はいずれもオープン。販売目標はそれぞれ5000台/年。

川島 弘之