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Cephベースの分散ストレージ「SUSE Enterprise Storage」、月額0.1セント/GB
(2015/3/5 06:00)
ノベル株式会社は3月4日、Linuxディストリビューションのブランド「SUSE」において、ソフトウェアベースのストレージ製品「SUSE Enterprise Storage」の提供開始を発表した。単体およびSUSE Cloudのオプションとして提供する。
SUSE Enterprise Storageは、オープンソースのストレージサーバー「Ceph」ベースの商用製品である。Cephは汎用サーバーのクラスター構成によりストレージサーバーを実現するソフトウェア。ノードを追加するだけで容量を増やせるスケーラビリティが特徴で、冗長構成も組める。また、ブロックストレージ、ファイルサーバー、オブジェクトストレージの3種類のインターフェイスでクライアントからアクセスできるのも特徴となっている。
SUSE Enterprise Storageでは、Ceph 0.80(Firefly)をベースにSUSE Linux Enterprise Server(SLES)12に特化して強化した。SLES 12のカーネルのバージョンとの間で機能の取捨選択をし、I/Oパフォーマンスや安定性のためのチューニングを施しているという。
ターゲットとなる用途ごとに異なるチューニングを施した構成を用意。アーカイブや長期保持などに向けた「SUSE Enterprise Storage High Density」、バックアップやデータ参照などに向けた「同 Standard Capacity」、OLTPや収益創出などに向けた「同 Standard Standard Performance」、超高性能のための「同 High Performance」の4種類からなる。
最小構成は管理サーバー1台とストレージサーバー4台で、管理サーバーはストレージサーバーと兼任させられるため、サーバー4台から利用できる。SUSEでは、ストレージ240TBのサーバー4台の構成で「月額0.1セント/GB」をモデル価格として謳っている。
同日開催された記者会見では、国内の初期の主なターゲットとして、クラウドサービスプロバイダーが挙げられた。そのほか、OpenStackのストレージやHadoopのストレージ、一般的な共有ファイルシステムもターゲットとする。
なお、Cephを開発するInktank社を、Red Hat社が2014年に買収している。これについてビジネス上の不安はないかという記者からの質問に対して、ノベル株式会社 代表取締役社長の河合哲也氏は、「SUSEは2012年からCephに投資して機能や性能の向上に取り組んできた。不安はない」と答えた。