ニュース

参天製薬、グローバルICT基盤をハイブリッドクラウド化~NTT Comのサービスを利用

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は25日、参天製薬株式会社が、グローバル全域で利用する基幹系・情報系システムのICT基盤として、NTT Comのクラウドサービスなどを採用したと発表した。

 クラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」、データセンターサービス「Nexcenter」、ネットワークサービス「Arcstar Universal One」などを組み合わせて、ハイブリッドクラウド環境を構築。システム運用管理や従業員向けのヘルプデスクサービスを、グローバルで一元的に提供できるようにしている。

 こうしたICT基盤のハイブリッドクラウド化は、1月に日本拠点から開始し、日本にある約300台の基幹系・情報系サーバーを統合。システム運用管理や従業員向けのヘルプデスクサービスについては、2014年10月から欧州拠点で開始されており、今後、日・米・欧の世界3極にて展開する予定としている。

ビジネス拡大に備えた柔軟性や俊敏性を確保、運用も標準化

 参天製薬の国内外の事業展開を支えるICT環境は、これまでオンプレミス型を中心に、地域ごとに別々の基盤上でシステムを運用していた。そのため、今後拡大するビジネスに俊敏に対応するためにも、グローバルレベルでの基盤統合やクラウド化の推進、運用の標準化、事業継続性の確保などが急務になっていたという。

 そこでNTT Comはこれらの課題を解決するため、グローバルICT基盤のハイブリッドクラウド化をはじめ、システム運用管理やヘルプデスクサービスをグローバルで一元的に提供することにした。

 具体的には、日・米・欧の世界3極において、Bizホスティング Enterprise CloudとデータセンターサービスのNexcenterを組み合わせ、拡張性の高いハイブリッドクラウド環境を構築。参天製薬がグローバルで運用する基幹系・情報系システムを同基盤上に統合した。あわせて、ネットワークサービスのArcstar Universal Oneにより、グローバルネットワークの構成を最適化している。

 これによって、システムの特性にあわせてICT基盤を柔軟に利用可能になったことで、グローバル展開の拡大など、ビジネスの変化に迅速に対応できる基盤が整った。

 一方、基幹系など重要なシステムやデータについては、地域を越えてバックアップを行うグローバル・ディザスタリカバリ環境を構築。NTT Comのグローバルオペレーションセンターが、24時間365日体制で一元的にシステムの運用・監視・保守を行うことにより、システム故障の早期復旧や事業継続性の確保を実現した。

 ヘルプデスクについても、日本語・英語・フランス語・ドイツ語・フィンランド語など多言語での対応が可能な体制を整備し、ITシステム・機器に関する使用方法やトラブル
時の対処法など、参天製薬の社員からの問い合わせを一括して受け付けられるようにしている。

 参天製薬によれば、欧州7カ国に勤務する約600名の社員へのヘルプデスクサービスを開始したが、問い合わせに対する初回コールでの解決率が80%に達するなど、高い実績を挙げたとのこと。

石井 一志