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主要な測位方式がすべて使える、インテックの位置情報サービス基盤「i-LOP」

 株式会社インテックは3日、屋内外における多数の測位技術を統合的に利用できる位置情報サービスプラットフォーム「i-LOP」を発表した。

 高精度測位社会の実現に向けて、屋外はGPS、屋内はWi-Fi/非可聴音/BLEなどさまざまな技術により、位置情報が活用されている。今後もPDR(自律航法)や地磁気といった新たな技術の活用が見込まれる中で、位置情報サービスの提供企業にとっては新技術への対応負荷が増大していくものと予想される。

 i-LOPは、多数の測位技術を統合的に利用できるプラットフォームで、サービス提供企業が、測位技術への対応を意識せずに、位置情報サービスを展開できるのが特長。サービス開発が容易になるとともに、新測位技術への対応はすべてi-LOP側で行われるため、顧客側での対応が必要なくなる。

 独自技術として、「縮尺や方位が正確でないイラスト地図に正しく位置をプロットするイラストマップ技術」、「アプリ未起動や未インストールの状態でもWi-Fiで位置を検知し、プライバシーに配慮した上でプッシュする技術」、「非可聴音の応答を1秒以内に行う技術」、「複数の測位技術による入力から最適な測位結果だけをクラウドへ問い合わせる技術」、「BLE装置などネットワークに接続されていない測位用デバイスの故障を予測・検知する技術」などを実装する。

 2015年1月下旬に国土交通省の「東京駅周辺高精度測位社会プロジェクト検討会」が実施する、最適な屋内測位技術を検証する実証実験にも参加。GPS、非可聴音、BLEの3つの測位手法をシームレスにつなぎ、屋外から屋内、1階から地下などへの測位のほか、イラストマップを用いた検証を行った。

 インテックでは、実証実験パートナーとともにi-LOPの適用領域に関する検証を重ね、「病院(医師・看護師の院内現在位置の把握など)」、「文教(確実な授業出欠把握や特定教室内にいる場合だけのファイル配信・閲覧など)」、「アミューズメント施設や展示施設(位置を活用した付加価値のある展示など)」といった業務事例での展開を計画中。

 具体的には「大成建設と埼玉医科大学とともに医師・看護師の位置把握」、「フルノシステムズとともに大学での学生の位置把握」、「バンダイナムコスタジオとともに展示施設向け音響制御システムとの併用」といった実証実験を予定しており、実運用の実証から商用化へとつなげたい考え。

川島 弘之