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甲南大、協働学習を実現する“スマート教育”実証実験

人と機器を自動でつなぐ技術を活用

 甲南大学と株式会社富士通研究所(以下、富士通研)は、人が集まったその場で端末や機器をつなげて画面共有や協働作業を可能にするプレイスサービス基盤と、その上で動作する学習支援サービスを試作開発し、これらを活用した授業の実証実験を11月から開始した。

 実証実験では、富士通研が4月に発表したプレイスサービス基盤技術を活用し、教員や学生が所持するタブレットや、教室に設置されたプロジェクタなどを自動的に連携させる。同基盤技術は、特定の場所に集まった人と人、人と機器をつなぐ環境を迅速に構築できるもので、Wi-FiのアクセスポイントやNFCタグなどに記録されたIDに対応した場所(プレイス)を定義し、その場所で認識された端末に、他の端末との連携機能を付与したモバイルアプリを自動で配信する。これにより、その場に閉じた通信路である情報チャネルが構成され、情報交換が可能になる。

端末間連携技術

 この技術を活用し、「講義資料の自動一斉配付・消去」「グループ内の協働学習」「学習進ちょくの経過観察」「学習結果の大画面共有」「授業アンケート」などのサービスを実現し、有効性を検証する。タブレットに注目が集まるも、教育現場では本格的な普及にいたっておらず、有効な活用方法が模索されている状況で、ICTを活用した効果的な授業のあるべき姿を検証するのが狙い。

 実証実験は、甲南大学西宮キャンパス、岡本キャンパス内で実施。期間は2014年11月~2015年3月を予定する。

プレイスサービス基盤を活用した授業のイメージ

川島 弘之