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千葉・市川市がデータバックアップ時間を2週間から3日に、システム見直し
(2014/11/7 16:17)
株式会社ネットワールドは7日、千葉県市川市の庁内業務サーバーのバックアップ運用改善プロジェクトにおいて、同社が提供するデータ統合管理ツール「CommVault Simpana(以下、Simpana)」と、ネットワークストレージ「NetApp FAS3250(以下、FAS3250)」が採用されたと発表した。これにより、ストレージ性能を15倍に向上するとともに、フルバックアップ時間を2週間から3日に短縮したという。
2014年に市政施行80周年を迎える市川市は、省エネ・省スペース化やコスト削減、システムやネットワークの安定稼働を重視し、数年前から庁内業務サーバーの仮想化を進めてきた。
従来のデータバックアップは、仮想化基盤用とファイルサーバー用に2台のストレージを置き、ストレージのスナットショップ機能を利用して1次バックアップを取得するとともに、バックアップソフトを利用して磁気テープへのフルバックアップを行っていた。この運用の課題として、バックアップデータ容量が増え続けたため、フルバックアップに2週間近くかかっていたという。
東日本大震災を機にBCP強化が重要な課題と再認識したこともあり、重要業務データの確実かつ効率的な保全を実現するため、今回のバックアップ運用改善に着手。
新たに構築されたシステムでは、従来2台の装置を利用していたストレージを「FAS3250」に統合し、データ保護・アーカイブ・レプリケーションなどの多彩な機能を単一のプラットフォームで実現する「Simpana」で、複数のツールを使い分けていたデータ保護業務をシンプル化した。「Simpana」はNetAppストレージとの親和性が高く、重複排除機能をはじめとしたバックアップ効率化のための仕組みも備え、これらを活用することで劇的な効果が得られた。
具体的に仮想化基盤においては、「Simpana」と「FAS3250」のスナップショット機能を連携させて日次バックアップを取得。また、VMwareのバックアップ用API「vStorage API for Data Protection」と連携させて、磁気テープへの週次バックアップを行っている。
従来は仮想環境のバックアップに「NDMP(Network Data Management Protocol)」を利用していたため、不要な仮想サーバーまで含めてまるごとバックアップし、容量の肥大や仮想サーバー単位でのリストアができないという問題を招いていた。新しい環境では仮想サーバー単位でのバックアップ/リストアが可能になるなど、運用面で大きな改善が図られたという。
ファイルサーバーにおいては、NetAppのスナップショットで一次バックアップを取得しし、その後の二次バックアップを「Simpana」で重複排除した上でD2Dバックアップを実施。そこから磁気テープへバックアップする運用に変更した。
これにより、これまで約2週間かかっていたフルバックアップが約3日間で完了するなど、大幅な時間短縮を実現。D2Dバックアップまでなら12時間で完了するほか、重複排除率は約76%に達し、2世代分のバックアップ実容量は31.4TBから7.62TBに削減されたという。
このほか、従来はストレージ側のスナップショット機能とバックアップソフトの連携が行えなかったため、時間をずらしてジョブを走らせるなどの工夫が必要だったが、スナップショットからデータバックアップまでの全作業を「Simpana」上で一元管理できるため、バックアップ運用の省力化が図られている。
重複排除し、D2Dバックアップで実施。さらに磁気テープへバックアップする運用に変更。これにより、これまで約2週間かかっていたフルバックアップが約3日間で完了するなど、大きな時間短縮効果を上げている。
今後は、庁内の他課のシステムが仮想化基盤に集約されるケースも増えると考えられることから、「Simpana」のマルチテナント機能なども活用し、より安全・安心な情報インフラを目指していく計画という。