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東工大が学生参加型授業で「高い成果」、Handbookを使って創意工夫

 インフォテリア株式会社は28日、東京工業大学(以下、東工大)が工学部電気電子工学科の授業で、モバイルコンテンツ管理(MCM)システム「Handbook」を導入したと発表した。同校では学生個人のスマートデバイスを活用した「アクティブラーニング」を実現し、学生の学習満足度を大きく向上しているという。

 東工大は「2030年までに世界トップ10に入るリサーチユニバーシティ(研究大学)になる」を目標にした教育改革に力を入れている。その一環として、電気電子工学科の2014年前期「電気機器学」の授業で、学生参加型の学習形式「アクティブラーニング」の新たな取り組みを開始。Handbookを活用することで、高い成果をあげたという。

 アクティブラーニングでは、いかに学生の参加意識を高めるかが課題となるが、同授業ではHandbookの特長である「小テスト機能」を活用し、授業終了後に学生のスマートフォンに宿題を配信し、いち早く正解した学生に、次回の授業での模範解答の解説を依頼するという方法を採った。指名を受けた学生はあらかじめ模範解答の解説を準備し、翌週の授業にのぞむため、解説に創意工夫が見られるようになり、受講している他の学生にも好影響を生む相乗効果が出たという。

 また、授業や宿題に関するフィードバックもHandbookの「アンケート機能」を活用して収集し、教員と学生による双方向のコミュニケーションを実現したとのこと。

 今回の取り組みにより、電気機器学の講義では、前年度の同科目の授業アンケートと比較し、理解度、分かりやすさなど全11項目のすべての結果が向上し、高い学習効果が得られたとしている。電気電子工学科では他の授業でもHandbookを活用したアクティブラーニングを展開していく方針。

 Handbookは、インフォテリアが開発するMCMサービスで、文書・表計算・プレゼン・画像・音声・動画などあらゆるファイルをクラウドに保存し、タブレット端末に持ち込んで、指先でめくるように表示可能にするソフト。閲覧者ごとの配信設定や端末紛失時の情報漏えい防止機能、オフライン閲覧機能など豊富な機能が特長という。

川島 弘之