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消費者の位置とクレカ決済をトリガーにお得情報配信、NTTデータが新サービス

「CAFIS Presh」を11月提供

 株式会社NTTデータは、クレジットカードの決済情報や位置情報を活用し、消費者に最適な特典などを配信する「CAFIS Presh」を11月から提供する。

 近年、米国において広がりを見せる、クレジットカード利用履歴や会員の属性情報を活用して送客を行うCLO(Card Linked Offer)やO2O(Online to Offline)。NTTデータはこれまでカード決済ネットワーク「CAFIS」を提供してきたが、これら販売促進に関する新しいニーズを受け、新たに「CAFIS Presh」の提供を始める。

 CAFIS Preshは、決済情報や位置情報などの情報を起点として消費者に情報を配信する次世代型販促プラットフォーム。企業が制作したスマホアプリに、NTTデータが提供するSDKを組み込むことで、消費者がスマホアプリに事前登録したクレジットカードを実際に店舗で利用した際の情報(購入金額・日時など)や、利用者の属性情報、GPS・Wi-Fi・Beaconによる位置情報を利用し、最適なクーポンや割引券などを消費者のスマホへプッシュ配信できるようになる。

 これにより「導入企業は消費者が来店前から来店後まで継続したアプローチが可能になる」(NTTデータ)のがメリット。

「CAFIS Presh」で実現できること

CLOやO2Oできめ細やかな販売促進を

 特徴としては、スマホアプリに登録したクレジットカードを店舗で利用したタイミングで情報をプッシュ配信可能。消費者の決済情報に基づいた提案をリアルタイムに送信できるため、例えば、ショッピングセンターでは、消費者が特定の店舗で購入したタイミングで近接店舗のクーポンを配信して施設内での買い回りを促進。購買直後の消費者の関心が高いうちにアプローチできるため、高い反応率が期待できるという。

 また、GPSや店舗に設置したWi-Fi・Beaconの情報を基に、スマホアプリに情報をプッシュ配信。これにより例えば、消費者が店舗の最寄り駅に近づいた際にGPSで情報を捉え、近くで開催中のイベント情報などを配信することで来店を促せる。また、来店後は店舗に設置したWi-FiやBeaconなどの情報を取得し、特定のエリアに近づいた消費者に対し、おすすめ商品情報や割引クーポンを配信するなど、きめ細やかな販売促進が実現。「店舗・施設内のデッドスペースとなってしまっていた箇所への誘導や、消費者の新たな発見につなげることで、企業の売上向上を支援する」(同社)という。

 このほか、会員情報・情報配信結果などの閲覧画面から配信した情報の開封率や、登録されている会員の属性情報の分析が可能。「どの特典が購入に結びついたかなどを確認・検証することで、マーケティング活動のPDCAサイクルを回しながら、より効果の高いマーケティング施策を支援する」(同社)としている。

 今後は、デビットカードや電子マネーなどの決済情報、企業の保有するPOS情報、天気・SNS情報などを活用した情報配信にも対応する予定。NTTデータでは2016年度までに20社への導入を目指す。

川島 弘之