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朝日火災、Web保険料試算サイトを構築、成約率3倍に

パイプドビッツのPaaS「スパイラル」採用

 株式会社パイプドビッツは26日、野村グループの損害保険会社である朝日火災海上保険株式会社(以下、朝日火災)が、個人向け火災保険「ホームアシスト」のWeb保険料試算システムに、情報資産プラットフォーム「スパイラル」を採用したと発表した。朝日火災は、Web集客の効率性と、モットーに掲げる「FACE TO FACE」のきめ細やかな契約手続きを両立し、資料請求からの成約率を約3倍に向上したという。

 朝日火災は、国内向け損害保険に特化した事業を展開しており、3240店(2014年3月末現在)の代理店を有する。今回、Webを活用し、とりわけ個人向け商品の魅力を能動的にアピールする施策を模索する中で、顧客がWeb上で手軽に保険料を試算できると同時に、代理店が資産データを後続業務に活用できる保険料試算サイトを今春に構築。その基盤に「スパイラル」が採用された。

 保険料試算サイトには、PHPの保険料計算用カスタムモジュールを組み込んだ入力フォームのほか、一覧表・単票機能を活用したFAQページや用語説明、契約時に用意する書類などが案内されている。

 保険代理店Webサイトから試算サイトに流入した保険加入希望者が、試算用入力フォームに建物情報や地震保険の加入有無、保険期間、プランなどを選択していくと、Webページで見積結果が表示され、任意で個人情報を入力して契約手続きを依頼できる。依頼があるとパラメータで管理された流入もと代理店とひも付けてデータが格納されると同時に、顧客に試算結果のお知らせメールが、朝日火災と代理店に通知メールが自動配信される。

 代理店が「スパイラル」にログインすると、試算結果データベース内の自代理店データを抽出した仮想データベースのみ閲覧・データダウンロードできるほか、そのデータを既存の申込書作成システムに連携させることで、顧客へのヒヤリングや再入力を削減できるようになっている。

 導入効果については、わずか1~2分のチェックで顧客に具体的な保険料をイメージしてもらえることが奏功し、保険代理店への資料請求率は約130倍、資料請求からの成約率は約3倍に上がったという。代理店からは、外回り営業時の利便性が高まったことに加えて、試算スピードや試算サイトの使いやすさが評価されたほか、従来30分程度かかっていた業務を試算サイトの導入によりわずか2分に短縮できたなどの声が挙がったという。

 スパイラルの選定理由として、コスト面で優位性のほか、Webやデータベース、メールなど、充実したコンポーネントにより、データベースが分散せず一元化できることや、開発期間を大幅短縮できる点、カスタマイズが容易な点などが評価された。

 今後は、主力商品の自動車保険や損害保険などへの資産サイトの拡張や、「スパイラルAPI」を用いた基幹システム連携なども予定する。

川島 弘之