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生活者情報ビッグデータの利活用、「不安が期待よりも大きい」層が増加

 株式会社日立製作所と株式会社博報堂は4日、個人情報とそれ以外のプライバシー性のある情報を合わせた「生活者情報」が利活用されることに対する生活者の意識を調査した「第二回 ビッグデータで取り扱う生活者情報に関する意識調査」の結果を発表した。2013年の前回調査に比べて、生活者情報が利活用されることに「不安が期待より大きい」層が増加したものの、プライバシー保護に関する施策を講じることで不安や抵抗感を軽減しうることが分かったとしている。

 調査手法はインターネット調査で、対象者は全国の20〜60代男女1030人。調査日は6月20日。

 生活情報の利活用について「活用への期待」と「リスクに対する不安」のどちらが大きいかを尋ねた質問では、前回調査と同様に「同じぐらいである」という回答が29.5%で最も多かったが、前回調査よりも割合はやや減少した。

 その他の回答は、「期待が不安より大きい」は6.6%、「期待が不安よりやや大きい」は15.1%、「不安が期待よりやや大きい」は24.5%、「不安が期待より大きい」は24.3%。特に、「不安が期待より大きい」という回答が前回調査より約10ポイント増加している。

 生活者情報の利活用によってプライバシーの侵害に不安を覚えることが「大いにある/少しある」という回答者は全体の88.0%を占めている。これらの回答者に不安を覚える理由(複数回答、3つまで)を尋ねた質問では、「利活用をされたくない場合に、本人に拒否権がない」(60.0%)、「規約類に書かれた目的以外で利用される恐れ」(57.7%)、「利活用の目的や内容の説明が十分でない、分かりやすく公表されていない」(51.4%)の3項目が多く挙げられた。

 調査では、企業や公的機関などが取得した生活情報を、取得時とは異なる目的で利用することを「二次利用」と定義。二次利用に対する生活者の不安を軽減するための施策として、「誰の情報か分からないように加工処理すること」「企業などが不適切に二次利用していた場合に罰金や罰則を科す」など5つの施策を提示し、どの程度不安が軽減されるかを尋ねた質問では、いずれの質問でも8割前後の回答者に不安の軽減効果が見られた。この結果から、こうした施策を複数組み合わせて運用することで、多くの生活者において生活情報の二次利用に対する不安や抵抗感が軽減されることが期待されるとしている。

 生活者情報の利活用に関して、近年話題となった事例やプライバシー保護関連の基本的な用語について尋ねた質問では、事例や用語について内容にまで踏み込んだ知識を持った生活者は少数だった。また、生活者情報の利活用に関心や知識がある層ほど、メリットや不安について強く感じる傾向があった。このことから、生活者情報の利活用にあたっては、不安を軽減する施策を着実に実施し、適切な情報公開・発信やメディアの報道を通じて周知することが求められていると分析している。

 生活者情報の利活用によるメリットとしては、生命・身体・財産にかかわる分野においてメリットがあるという回答が多かった。一方、生活者情報の利活用によるリスクとしては、過剰な営業行為や、人物像が他人に把握されることを不安視する回答者が多い。

 生活者情報の二次利用について、利用目的別に抵抗感を尋ねた質問では、交通、都市計画、生活インフラ(電気・ガス・水道など)の改善など、日常的に利用するインフラの改善につながる用途には抵抗感が少ない。

 生活者情報の中でも、特に慎重に取り扱うべきと考えられる情報の取り扱いについて尋ねた質問では、健康や医療に関する情報については、同意を得ることなどを条件として取り扱うことを容認しうるという回答が多かった。一方、経済的信用や通信に関する情報については、「どんな場合でも取り扱いを認めない」といった否定的な回答が多かった。

(三柳 英樹)