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マーケティングオートメーション大手の米Marketo、日本法人を設立

クラウドサービス日本語版を提供開始

発表会で握手する電通イーマーケティングワン 代表取締役の長濱薫氏(左)、Marketoのフィル・フェルナンデス会長兼CEO(中央)、サンブリッジコーポレーション 創業者兼CEOのアレン・マイナー氏

 マーケティングオートメーションソフトウェアの大手プロバイダである米Marketoは25日、株式会社電通イーマーケティングワンとサンブリッジコーポレーションとの共同出資による合弁会社「株式会社マルケト」を設立し、日本市場での営業活動を開始したと発表した。あわせて、クラウドベースのマーケティングオートメーションソリューション「Marketo」の日本語版を提供開始した。

 Marketoのフィル・フェルナンデス会長兼CEOは、日本市場への本格参入にあたり、「当社は、クラウドベースのマーケティングソフトのリーディングベンダーであり、36か国、3000社以上の幅広い業界の企業にサービスを提供している。また、190社のエコシステム・パートナーと、4万人のマーケティングコミュニティメンバーが当社のソリューションをサポートしており、現在、500人の社員が米国、欧州、オーストラリア、イスラエルで勤務している」と、同社の事業概況を説明。

Marketoのフィル・フェルナンデス会長兼CEO

 「近年、消費者の購買行動が大きく変化し、商品を購入する前に、オンライン上の検索サービスやソーシャルサービス、動画サイトなどを利用して情報をリサーチすることが当たり前となっている。企業のマーケッターにとっては、こうした購買行動をとらえ、消費者とOne to Oneコミュニケーションを行い、長期的な関係を築いていく必要がある。この取り組みを包括的にサポートし、マーケティングを自動化するソリューションが『Marketo』。今回、パートナー企業の支援を得て、日本法人を設立し、世界で数多くの実績をもつ『Marketo』を日本市場でさらに普及拡大していく」と、日本市場でのビジネス拡大に意欲を見せた。

 日本法人の設立に共同出資した電通イーマーケティングワン 代表取締役の長濱薫氏は、「当社は、電通グループの全世界の顧客に対し、戦略的マーケティングコンサルティングサービスを提供しており、マーケティングの高度化・効率化を支援してきた。その中で、先進のマーケティングソリューションである『Marketo』の日本でのビジネスに参画できることをうれしく思っている。これを機に、『Marketo』の専門組織を設置し、積極的に販売、導入コンサルを展開することで、日本では未熟な状態のマーケティングオートメーション市場を切り拓いていく」との考えを述べた。

電通イーマーケティングワン 代表取締役の長濱薫氏
サンブリッジコーポレーション 創業者兼CEOのアレン・マイナー氏

 また、サンブリッジコーポレーション 創業者兼CEOのアレン・マイナー氏は、「当社は、セールスフォースやコンカーなど、これまでも業界に大きなインパクトを与える米国ベンチャー企業の日本進出を支援してきたが、マーケティングソリューションのカテゴリーリーダーであるMarketoもその1社であると考えている。同社のソリューションは、いままでのデジタルマーケティングの手法を変革させるものであり、日本にとって、今年がマーケティングオートメーション元年になると確信している」と、Marketoの日本市場での成功に期待を寄せた。

 日本法人マルケトの設立に合わせて提供開始した「Marketo」日本語版は、シンプルで使いやすく、顧客の特徴に合わせた見込度の高いリードの選別や、リードの育成による有望な見込顧客を実際の顧客にするプロセスを自動化することで、デジタルマーケティング戦略の推進を容易にするマーケティングオートメーションソリューション。マーケティングのプロセスを自動化するための各種アプリケーションを網羅しており、「計画/予算策定」から「需要創出」、「リレーションシップ構築」、「セールス推進」、「計測/最適化」までのマーケティングプロセスを包括的にカバーしている。

「Marketo」がカバーするマーケティングオートメーションプロセス

 具体的に「計画/予算策定」では、組織全体のマーケティング予算を簡単かつ正確に計画・追跡する財務管理ツールを提供。「需要創出」では、適切な見込顧客を自社ウェブサイトとコンテンツに引き寄せる検索エンジン最適化ツールやコンテンツ推薦エンジンを提供し、複数チャネルを利用したキャンペーンやソーシャルマーケティングを推進する。「リレーションシップ構築」では、顧客エンゲージメントエンジンを活用し、持続的な1対1の深い顧客リレーションシップを大規模に構築する。「セールス推進」では、適切なオファーを適切なタイミングで提示することで、見込顧客の受注率を高め、営業活動の生産性向上を実現する。「計測/最適化」では、プログラム/チャネルアナライザーや成功パスアナライザー、機会影響アナライザーなどを提供し、マーケティング投資のインパクトを最大化する。

 今後、マルケトでは、「Marketo」日本語版を、販売代理店およびサービスにおけるパートナーシップをもつ電通イーマーケティングワンおよびオージス総研を通じて提供していく。また、マルケトからの直接販売および販売代理店も順次増やしていく予定。

唐沢 正和