ニュース
ジュニパー、複数のデータセンターを統合管理するSDNアーキテクチャ「MetaFabric」
(2013/10/31 06:00)
ジュニパーネットワークス株式会社(ジュニパー)は30日、次世代データセンター向けのSDN(Software-Defined Networking)アーキテクチャ「MetaFabric」を発表した。地理的に分散したデータセンターを所有する企業やサービスプロバイダがこれを利用すると、複数のデータセンターを統合的に管理できるという。
「MetaFabric」は、スイッチング、ルーティング、オーケストレーション、SDN(Software-Defined Networking)、セキュリティソリューション、技術パートナーシップの包括的なポートフォリオを通じて提供されるアーキテクチャ。複数のデータセンターにおけるネットワークリソースを効率よく一括管理し、「装置や機器がどこにあろうが、仮想でも物理の環境でも、クラウドでも1つのビューで見られるようにする」(ジュニパーのジェフリー・ブラウン社長)ことが目的で、これによって管理コストを下げ、より迅速にネットワーク構成を変更できるようにする。
現在では、さまざまなベンダーからさまざまな構想が発表され、取り立てて珍しいものではなくなっているように感じるが、米Juniper Networksのケビン・ジョンソンCEOは、「オープンであること」をその特徴として挙げる。今のデータセンターにはさまざまな機器、ソフトが利用されているため、単一ベンダーでこれを固めることは現実的ではない。
そこでジュニパーでは、ヘテロジニアスな環境に対応できるようにした。それが「MetaFabric」アーキテクチャなのだという。重要なコンポーネントとなるネットワーク仮想化ソフト「Contrail」がBGPなどの標準技術を利用しているのも、その現れとのことで、「当社の技術と同時に、ほかのサプライヤーの技術も使える点が大きい」とジョンソンCEOは強調した。
今回、同時に発表されたルータ「MXシリーズ」の新機能「ユニバーサルSDNゲートウェイ(USG)」も、この“オープン”というキーワードを実現するために必要なものだ。これは一言でいうと、仮想ネットワーク同士、あるいは仮想ネットワークと物理ネットワークを橋渡しするための機能で、VXLANやOpenFlow、Contrailで利用しているBGP over GREなど、さまざまな仮想ネットワーク技術を終端できる。また、複数のデータセンターを接続するためのEthernet VPN(EVPN)機能もサポートし、WAN全体で最も効率的なフォワーディングパスを構築し、パフォーマンスを最大化するとのこと。
もう1つ、重要な役割を担うのが管理ツールである。このためにジュニパーでは、単一コンソールからネットワーク全体を管理できる「Junos Space Network Director」を製品化した。さらに、同社のファブリック製品である「QFabric」においても、密度や性能を向上させたトップオブラック(ToR)向けの「QFX5100」を新たに提供する。
【お詫びと訂正】
初出時、ケビン・ジョンソンCEOの名前を謝って記載しておりました。お詫びして訂正いたします。