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ウインドリバー、超低レイテンシのネットワーク仮想化を実現する「OVP」

OVPの概要

 ウインドリバー株式会社は、高パフォーマンスでオープンソースのリアルタイムカーネル仮想化技術「Wind River Open Virtualization Profile(OVP)」を、8月1日に出荷する。7月31日にその特徴を紹介する説明会を開催した。

 OVPは、SDN(Software Defined Networking)やNFV(Network Functions Virtualization)などネットワークを仮想化した環境において、物理デバイスに匹敵する低レイテンシを実現するもの。「Wind River Linux」向けのアドオンソフトとして提供される。

 通信事業者などでは、ネットワークの拡張や運用に要するコストを削減するために、ハードウェアの稼働や電力消費の効率化を模索し、SDNやNFVといった最新技術に投資を行っている。運用の柔軟性を生み出すネットワーク仮想化だが、同社によると「ケーブルでつながれた従来の物理環境に比べ、ネットワークハイパーバイザーというソフト層が間に入る分、遅延が生じてしまうことが問題となっている」。実際、同社の調査では、ネットワークを仮想化することでレイテンシが平均で7.4倍に増加したという。

ネットワーク仮想化によりレイテンシが平均7.4倍に
OVPを適用することでレイテンシを74%削減できる

 OVPは、こうしたSDNやNFVといった環境において低レイテンシを実現する。カーネルベース仮想化技術「KVM」の最適化により開発され、KVMのリアルタイムパッチやソフト層での遅延を解消する仮想スイッチ(Intel DPDK vSwitch)、およびoVirtやOpenStackといった管理フレームワークで構成される。

 同社では「OVPを適用することでレイテンシを平均74%削減できた」としている。

川島 弘之