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MKIが医療器具の使用履歴管理サービス、感染症の拡大防止に

 三井情報株式会社(MKI)は25日、医療機関における医療器具の使用・滅菌処理の履歴管理をインターネット経由で行うクラウドサービスの提供を開始する。7月から販売し、中規模・大規模病院を中心に3年間で100施設への導入を目指す。

 現在の医療現場においては、医療器具ごとに使用・滅菌処理の履歴管理を行うUDI(Unique Device Identification:個々の医療器具ごとに使用実績などを認識すること)が重要視されている。すでに欧米諸国では、クロイツフェルト・ヤコブ病(狂牛病)などの感染症対策として医療器具の使用履歴管理を義務化する動きがあり、今後日本でも管理システムに対するニーズが高まることが予測されているという。

 MKIはこれらのニーズに応えるため、医療機関との共同実証実験を経て、医療器具ごとに2次元バーコードを刻印して実現するUDIサービスを開始する。

 特長は、正確な医療器具管理。個々の医療器具の2次元バーコードを読み取ることによって、使用回数や滅菌回数を正確に管理する。手術で使用した器具は読み取り装置で使用回数をカウント。その際、設定使用回数を超えた場合はアラートを出して、修理あるいは廃棄処理する。そして、手術単位ごとにセット組み(あらかじめシステムにセットごとに必要な器具を登録して、読み取り装置を使って自動消し込みを実施)を行う。その際、滅菌回数を登録して次の手術に備える。事前にそれぞれの手術に必要な医療器具を登録しておけるので、作業ミスの削減と担当者の効率アップが図れる。

システム概要図

 また、手術履歴データ(別途必要)とUDIサービスによる医療器具の使用履歴データを照合することで、それぞれの手術において使用した医療器具の把握が可能に。感染症発生時のトレーサビリティを確保できる。

 MKIでは今後、電子カルテシステムや手術情報管理システムなどとの連携によって、より最適化された分析・管理システムの構築を目指すとしている。

川島 弘之