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レノボ、ThinkPadとThinkCentre新製品発表会~PC世界シェア16.7%でトップに

レノボ・ジャパン株式会社 執行役員常務 横田聡一氏

 レノボは7月17日、企業向けノート製品とデスクトップ製品の発表会を開催。あいさつに立った執行役員常務 横田聡一氏は、2014年第1四半期でレノボが世界PC市場のシェア16.7%を占めシェア第1位となり、過去4年間でシェアが約2倍、売上は2倍以上、利益は4倍以上になったと数字を挙げて好調な業績を紹介した。

 レノボは2012年にThinkPad20周年を迎えたが、今年2013年はThinkCentre、ThinkVisionが10周年を迎える。ThinkCentre Tinyなどで顕著だが、ThinkPadで培った技術をデスクトップ機に投入することで、デスクトップ機にさまざまなイノベーションを盛り込むことができたと述べた。

 横田氏によれば、PC世界シェアトップとなり業績好調な同社だが、社内的にはお祝い気分ではないという。タブレットやコンバーチブルなどの製品市場が急速に拡大しており、レノボも「PCプラス」をキーワードに、従来のPCの枠組みを超えた製品にどんどん投資していきたいとした。また近年、顧客の利用シーンが大きく拡大しているため、それぞれ各利用シーンに合った製品を投入していきたいと考えていると述べた。

 横田氏はまた、変化する社会と市場に対応していく一方で、ThinkPadのコンセプトとして変わらないものがあるとして、中でも最もこだわっているのが堅牢性だとした。今回の新製品でも、「Tinyは持ち運ぶので、大和研究所基準の堅牢性試験をTinyでも実施、Mil-Spec 8項目をクリアした」と述べた。

 レノボの開発拠点は中国、日本、米国の世界3カ所にあるが、国内は横浜の大和研究所にNECの米沢事業場も加わった。NECとの協業も徐々に進めており、例えばNECの世界最軽量ノート「Lavie Z」の角型ACアダプタはThinkPad X1 Carbonなどで採用されたThinkPad製品や今回のThinkCentre Tinyと相互にささるように設計しているという。製品開発も、両社のチームから相互に人を入れて開発を行っているという。

 横田氏は「NECもPC開発に非常に高いスキルを持った技術者集団なので、チームジャパンとして、日本で培った技術を世界に発信していきたい」と述べ、あいさつを締めくくった。

過去4年間でシェアは2倍、利益は4倍以上に
ThinkPadは2012年に20周年を迎え、ThinkCentreとThinkVisionは今年2013年に10周年を迎える
大和基準の堅牢性試験をデスクトップ製品のTinyでも実施
レノボの開発拠点。従来の3拠点プラス、NECの米沢事業場が加わった

 発表会ではThinkPad X240s、ThinkPad T440sのノート2製品、ThinkCentre M93p Tiny、ThinkCentre M93z All-In-One、ThinkCentre M93p SFF Proのデスクトップ3製品、合わせて5つのPCシリーズのほか、6月に発表されたThinkPad Tablet 2 or DOCOMO Xiも紹介された。

 また今回、24インチFHD対応「ThinkVision Lt2423 Wide」などディスプレイ3製品も合わせて発表された。ディスプレイ製品は19.5インチHD+ ワイドLED液晶(1600×900ドット)搭載の「ThinkVision LT2013s Wide」、および24インチ フルHD ワイドLED液晶(1920×1080ドット)搭載の「ThinkVision LT2423 Wide」の2製品は7月23日の発売を予定。19インチ IPS LED液晶(1280×1024ドット)搭載の「ThinkVision LT1913p」は、8月6日発売予定となっている。

 発表会では9月中旬発売予定のサブディスプレイ、Windows 8対応モバイル 10点タッチパネルモニター「ThinkVision LT1423p モバイル・モニター」も展示された。13.3インチ HD+対応(1600×900ドット)のAH-IPSパネルを採用し、最薄部6.7mm、USB接続モデルで約770g。従来のサブディスプレイ製品は二股のUSBケーブルが必要だったが、USB 3.0経由で、ケーブル1本で画像表示と電源供給が行える。本体に256段階の筆圧に対応するThinkPad tablet 2 ペンを収納。ゴリラガラスの採用でより堅牢性を高め、持ち運びにも便利でスタンドとしても利用できるカバーを同梱する。

 「ThinkVision LT1423p モバイル・モニター」にはWirelessバージョンも用意され、10月末の発売を予定。最大4時間のバッテリーが使用可能で、最大30mまでWi-Fi 2.4/5GHz帯による通信が可能。本体厚は12.7mm、重量は約1.1kg。

24インチFHD対応「ThinkVision Lt2423 Wide」。背面にTinyを装着できる。ディスプレイの高さが調節可能
10点タッチに対応する「ThinkVision LT1423p モバイル・モニター」。USB版は9月、Wi-Fi版は10月発売予定

工藤 ひろえ