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「Synergy!360」、好みや価値観を軸に顧客分類が可能に

クラウド型マーケティングナビゲーターに新機能

 シナジーマーケティング株式会社は29日、クラウド型マーケティングナビゲーター「Synergy!360」に、顧客の価値観や消費行動を知る手がかりとなる「体験版ソシエタス機能」を搭載すると発表した。これにより、企業は年齢や性別などの軸ではなく、好み・価値観・ライフスタイルなどを軸に顧客を分類できるようになり、より顧客に合わせたコミュニケーションが可能になるという。同機能はSynergy!360のユーザーに無償で提供される。

 Synergy!360は、行動履歴データを基に顧客をスコア評価し、コミュニケーションの最適化を図るマーケティングナビゲーター。Webサイトへのアクセス、メールの開封・クリック、フォームからのコンバージョンなど顧客の行動履歴データを統合管理し、そのデータを基に顧客一人一人にスコア値を付加し評価することで、顧客特性にマッチしたコミュニケーションを支援するクラウドサービス。

 同サービスに無償で「体験版ソシエタス機能」を搭載する。ソシエタスとは、同社が独自に定義した顧客の価値観の類型・タイプのことを指す。同機能では、企業が顧客に対して専用のアンケートを実施することで、顧客を12のタイプ(ソシエタス)に分類でき、顧客理解を深められる。このソシエタスを用いて、好み・価値観・ライフスタイルなどが似ている顧客層ごとに最適なコミュニケーション施策を実施することで、顧客の反応を向上できるという。

「体験版ソシエタス機能」の利用の流れ

<ソシエタス分類>
・受け身な隠者タイプ
・受け身な清閑タイプ
・家族大好き悠々タイプ
・家庭的なまじめタイプ
・アウトロータイプ
・こだわりインドア派タイプ
・自分中心的なアクティブタイプ
・好奇心旺盛なバランス人間タイプ
・家族想いの多忙ワーカータイプ
・社交的な堅実ホームメーカータイプ
・繊細な個人主義タイプ
・好奇心旺盛な人生謳歌タイプ

 企業のマーケティングの現場では、顧客理解を助ける情報としては、年齢・性別・役職などの「属性」、購買履歴やアクセス履歴などの「過去の行動」が活用されてきた。一方で、顧客の価値観や好み、性格などの「心理情報」は顧客の購買行動に大きな影響を及ぼすとされている。シナジーマーケティングでは、2008年より慶應義塾大学大学院の井上哲浩教授の監修の下、企業が持つ膨大なマーケティングデータを統合して分析する研究をはじめ、「心理情報」の基となる顧客の価値観や好み、性格などを「ソシエタス」としてモデル化した。

 今回の「体験版ソシエタス機能」では機能を一部制限しているが、本来はアンケート回答者の行動データを基に未回答者のソシエタスを推定したり、一人につき複数のソシエタスを付与し割合で表現したりすることが可能という。

(川島 弘之)