TISとソフトバンクテレコム、韓国データセンターを活用したDRサービス


 TIS株式会社とソフトバンクテレコム株式会社は29日、データセンターサービスで協業すると発表した。韓国にあるソフトバンクテレコムグループのプサンデータセンターを、TISが提供するDR/BR(ディザスタリカバリ/バックアップリカバリ)サービスの一部として10月29日より提供する。

 災害リスクを想定したIT-BCPへの対応やDR/BRのニーズが高まる中、リスク分散の観点から国外のデータセンター活用も有力な選択肢の1つとなっている。しかし「ネットワークの安定性確保」「現地での運用品質の担保」「時差などによる国外からの対応負荷」が課題となり、実現に踏み出しているケースは多くはない。

 今回、両者は国際的なDR/BR構築・運用の課題を解決する施策として、国内のデータセンターのみならず、日本に最も近くDR/BR先として有効なプサンデータセンターを日本と同じ運用品質でサービス提供するとしている。

 具体的なサービス内容は、韓国データセンターサービスとして、レンタルラックの提供、サーバー・ネットワーク・ストレージの機器手配、顧客ごとの手順書に基づく現地での運用代行を実施。また、TISによるSI/システム運用として、日本国内からOS・ミドルウェア・アプリなどのインストール、DR/BRの要件に合わせたシステム設計・構築・導入支援、日本国内からのシステム稼働監視・ログ管理などの運用支援を実施。さらに両社共同のネットワークインテグレーションやアドバンストモニタリングといったサービスも提供する。ヘルプデスクはソフトバンクテレコムが24時間365日の体制で日本語にて対応する。

 プサンデータセンターは、地震心配が少ないプサンで、1ラックあたり電力容量8.3kW~6.0kWを標準で用意し、日本と同等の高品質な大規模高集積データセンターとして稼働している。ソフトバンクテレコムのスタッフが常駐して管理・運用を行うほか、ISO 9001/ISO 20000/ISO 27001を取得して、日本基準のセキュリティや品質管理で運用しているという。またソフトバンクテレコムが提供する日韓大容量バックボーンは、東京-プサン間の往復伝送遅延20ms前後を実現し、低遅延で安全な通信環境を提供するとしている。

 今後、両社は協業の次の展開として、TISが自社データセンターで展開しているDR/バックアップパッケージ「システム丸ごと災害対策パッケージ」をプサンデータセンターで提供することを計画。同パッケージを利用することで、従来の個別構築と比較して大幅なコスト削減が可能となり、低価格でDR環境を構築できるとのこと。

関連情報
(川島 弘之)
2012/10/29 16:28