日立システムズとマイクロソフトがクラウド事業で協業、Hyper-V 2012を利用したクラウドサービスを提供へ


 株式会社日立システムズと日本マイクロソフト株式会社は26日、クラウドサービス事業で提携すると発表した。この提携に伴い日立システムズは、スケーラビリティなどが大きく強化されたWindows Server 2012 Hyper-V(以下、Hyper-V 2012)ハイパーバイザーと統合管理製品であるSystem Centerをクラウドサービスの中核技術に位置付けるとともに、Hyper-V 2012をベースにした5種類のクラウドサービスを提供する。

 Hyper-V 2012を基盤とする具体的なサービスは、以下の通り。
1)コミュニケーションシステム クラウドサービス
2)仮想化クリニックサービス
3)Hyper-V プライベートクラウド構築サービス
4)オンサイト型リソースオンデマンドサービス
5)BusinessStage仮想デスクトップサービス

 このうち1)は、Exchange Server、SharePoint Server、Lync Serverを組み合わせ、顧客の個別要件に対応するコミュニケーション環境を構成し、クラウドで提供するサービス。海外にデータを配置/保存できないなど、自社データの取り扱いに制約がある企業に対しては、日立システムズの国内データセンターからサービスを提供するほか、既存システムや日立システムズのほかのソリューションとも連携が可能とした。

 2)は、顧客の既存サーバー環境からデータを収集・分析し、Hyper-Vを導入した場合の効果を具体的に数値化してレポーティングするもの。3)では、Hyper-V 2012とSystem Centerを利用して、プライベートクラウド環境に必要なサーバー、ストレージ、ソフト、導入サービスをパッケージ化して提供する。

 また4)は、顧客サイトにリソースオンデマンドサービスを提供するもので、Hyper-V 2012による構築済みの仮想環境を用意する。最後の5)は、日立システムズのデータセンターに、Hyper-V 2012とCitrix XenAppを組み合わせた仮想デスクトップ環境を構築し、顧客が利用できるようにするサービスである。

 これらのサービスについて、日立システムズは同日から販売開始するとともに、日本マイクロソフトと共同で営業・マーケティング活動を実施。日立システムズのデータセンターおよび顧客サイトにおいて、今後3年間に1万サーバーの仮想化を目指すという。

 一方日本マイクロソフトでは、日立システムズが提供するクラウドサービスの開発・提供に対して技術支援を行うほか、技術者の育成を支援するとのこと。またこれらの支援によって日立システムズでは、3年間で3000名のHyper-V技術者、800名のHyper-V営業担当者、500名のHyper-V関連の資格取得者を育成するとしている。

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(石井 一志)
2012/9/26 12:22