全体的に好調、SAPジャパン・安斎社長が2012年度の進ちょく語る


代表取締役社長の安斎富太郎氏
2012年SAPジャパン業績

 SAPジャパン株式会社は29日、戦略説明会を開催。代表取締役社長の安斎富太郎氏が2012年上半期の進ちょくや今後の戦略について説明した。

 安斎社長はまず、2012年のSAPジャパンの好業績に触れ、第2四半期(Q2)ソフト関連売上は25%増の1億7100万ユーロ、Q2売上総額は27%増の1億9500万ユーロ、上半期ソフト関連売上は20%増の3億1500万ユーロ、上半期売上総額は23%増の3億6000万ユーロと、軒並み二ケタ成長を遂げたと紹介。また、上半期データベースソフト売上は74%増、上半期モバイルソフト売上は5.3倍、上半期パートナービジネスは47%増となり、SAPジャパンにとって新しい分野でも順調に芽が伸び始めているとした。

 年初に発表された2012年の重点事業領域は「アプリケーション」「アナリティクス」「モバイル」「データベース&テクノロジー」「クラウド」の5点で、これらすべてにインメモリプラットフォーム「SAP HANA」を絡めていくというものだった。

 安斎社長は続いて、これら重点領域に対する上半期の成果を説明。「アプリケーション分野では、SAP ERPが二ケタ成長を遂げた。アナリティクス分野では、SAP Business Planning and Consolidation(BPC)のSAP HANA対応アプリを提供し、パートナーからはBPCのRDS(Rapid Deployment Solutions)の提供も始まった。モバイル分野では、金融・製造業での好評を受け、5月にはエンタープライズ系モバイルアプリを提供するSyclo社を買収した」。

 「データベース&テクノロジー分野では、4月にデータベース事業への本格参入を発表し、SAP HANAを中核としたSybaseとの製品統合ロードマップも発表。Sybase ASE for SAP ERPの一般出荷を始められた。また、SAP HANAに関しては、富士通・日立・NEC・IBM・HP・Dell・Cisco・Lenovoの8社からアプライアンスサーバーを提供することができた。おかげで各業界のトップ企業がSAP HANAの採用を決定し、国内では30社以上の導入実績を積み上げることができた」。

 「クラウド分野では従来のオールインワン型の基幹系クラウドに加え、People/Money/Supplier/Customerといったソリューションごとのクラウドを発表したほか、人材管理ソリューションのSuccessFactorsが続々採用された」とした。

2012年上半期トピック

 また、これらを踏まえた上半期のサマリーとしては、「当社の伝統的な領域、新たなイノベーション領域ともに高い支持を得られた。また、社員の専門性を高め、多様な顧客ニーズに対応した提案が受け入れられた」と評価する一方、さらに推進すべき点として「重点事業領域の5カテゴリそれぞれの専門性を集合した高次元な提案はまだまだこれから。また、SAPジャパン自身のグローバル化もさらに進めていかなければならない」とした。

 2012年下半期、さらなるイノベーションに向けては、「年内にERP on HANAを提供する。また、SAP HANAアプリを開発する日本のスタートアップ企業を支援して、SAP HANAを盛り上げていく。モバイルではパートナーの認定モバイルアプリを日本語SAP Storeで提供。パートナー向けにはこのほか、パートナーによるSAP HANA検証センターの本格稼働を開始し、パートナーグローバリゼーションプログラムを拡大させる。クラウドでは、各種SaaSやHANAベースのPaaSを日本市場へ投入するなどビジネスの本格化を図る」。

 「また、5カテゴリを融合するスマートイノベーションとして、Smart City Projectに参画。柏の葉スマートシティにおいて、電気・ガス・水道・CO2の消費量を見える化するHEMS(home energy management system)に、SAP Smart Meter AnalysisとSAP HANAを連携させ、データのパターン分析や料金プラン・新サービス開発への連携実証実験を行っていく」と目標を語った。

下半期の目標
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