NTT Com、国内基幹ネットワークの商用光ファイバーで100Gbps-DWDM伝送に成功


 NTT Comは、国内の商用光ファイバーケーブルにおいて、伝送容量と伝送距離を飛躍的に拡大させる次世代光伝送技術「デジタルコヒーレント伝送技術」を用いた100Gbps-DWDM伝送(高密度波長多重伝送)の運用性耐力試験を実施し、成功したと発表した。試験は、国内での通信量が最大規模となる東京~名古屋~大阪間の商用光ファイバーケーブルにおいて実施した。

 NTT Comによると、この技術を用いることで、全国基幹ネットワークの光伝送容量を現状より最大5倍(8Tbps)以上に引き上げることができ、超高速100GbEなどの広帯域回線サービスを高品質に提供することが可能になるという。

 実証実験は、今年3月から5月にかけて実施。東京~大阪間でのWANを介した100GbE回線を構築するため、1波長当たり100Gbpsのデジタルコヒーレント伝送技術を適用し、東名阪間でDWDM伝送を行なった。

 デジタルコヒーレント伝送技術は、偏波多重や位相変調などの変調方式により周波数利用効率を向上させるとともに、コヒーレント受信とデジタル信号処理を組み合わせることで大幅な受信感度向上を実現する次世代光伝送方式。

 NTT Comでは実施にあたり、100Gbps-DWDMの全国基幹ネットワークへの導入を想定し、伝送ルートにおける光ケーブルの条件のばらつきや変動などに対応できるよう高度な光伝送設計を施した上で、100Gbps-DWDMの運用性耐力試験を実施。これにより、全国基幹ネットワークへ導入するのに十分な光伝送特性を確認することができたという。

 今回の実証実験の結果により、伝送容量8Tbps以上の長距離大容量100Gbps-DWDMを全国へ商用導入する目処が立ったとして、全国基幹ネットワークへの100Gbps-DWDMの導入を早期に実施する予定だという。

試験概要デジタルコヒーレントの図解


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