「auスマートパス」のネットワーク設計・構築をネットワンが担当
ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワン)は19日、KDDIがスマートフォンユーザーに提供する「au Cloud」のサービス基盤に、F5ジャパンが提供するADC(アプリケーション・デリバリー・コントローラ)製品「VIPRION」を採用したと発表した。
KDDIでは、「3M戦略(マルチネットワーク、マルチデバイス、マルチユース)」の下、携帯電話、WiMAX、CATVなどのネットワークを有機的に結んだサービス展開を目指している。その中でも急速に利用が拡大するスマートフォン向けサービスとして「auスマートパス」を立ち上げた。
auスマートパスは、スマートフォンを利用する上で必要なセキュリティ、写真データのバックアップ、定番アプリケーションをパッケージ化して定額料金で提供するサービスで、3月にスタートした。
サービス開始に当たっては、24時間365日にわたって提供するため、安定したサービス提供を可能にする配信性能や可用性の確保が課題となった。また、変化が著しい市場に対応するため、短期間でサービス提供基盤が構築できることや、将来的なサービスの拡大に併せて柔軟に拡張できるインフラが求められた。と同時にサービス提供額を抑えるため、初期投資コストの削減が不可欠だった。
これらを解決するため、ADCの導入を決定。製品としては拡張性と可用性が高いという「VIPRION」を採用し、ネットワンにインフラの設計・構築を委託した。
導入したのはブレード搭載型シャーシモデルの「VIPRION」。ブレード1枚から導入できるため、必要最低限の規模からスモールスタートが可能。処理能力は最大160Gbps(L4スループット:ブレード4枚搭載時)まで拡張できる。
今後の展開として、KDDIではauスマートパスの利用者増の傾向に合わせて、必要に応じてVIPRIONを拡張していく予定。将来的には、1台のVIPRIONを論理分割して複数のADCとして活用できるvCMP機能を活用して、負荷分散の能力をほかのサービスと共用することも検討するとしている。