大規模システム開発の情報を関係者間で一元化、協議会が発足


 南山大学、日本IBM、富士通、NEC、NTTデータ、日立、NRIは21日、情報システム構築におけるプロジェクト管理の効率化を支援するため、プロジェクト管理者が多種多様な管理データを総合に交換・共有するためのソフトウェア基盤技術の実現を目指し、「次世代プロジェクト管理データ交換アーキテクチャ協議会」を設立した。

 昨今、大規模なSI・ソフト開発では、数社から数十社のベンダーが参画する多層的で複雑なプロジェクト進行・管理が求められている。ところが、プロジェクトの状況を関係者間でタイムリーに把握することは困難となっており、多種多様な管理データを集約して共有できる仕組みが必要になっているという。

 同協議会では、ユーザーと複数ベンダーが絡む大規模プロジェクトにおいて、タイムリーな情報共有を実現することを目的に、組織やプラットフォームによらないで進ちょく管理や品質管理などのデータを交換できるインターフェイスの実現・標準化を進めていく。

 具体的に、以下の3つのテーマを中心に活動する。

 (1)は「組織によるプロジェクト管理方法の違いを前提とした管理データ交換のための通信規約の検討」(期間:5月21日から12月末まで)。これにより、プロジェクト管理データを階層構造に沿って、各階層で、タイムリーかつ効率的に収集・集約する管理データ交換のための通信規約を策定する。また、データ交換の基盤技術として、OSLC(Open Services for Lifecycle Collaboration)が採用しているWeb上の標準データ交換技術であるRESTful方式を採用し、特定の管理ツールやプラットフォームに依存しないデータ交換を実現する。

 (2)は「特定のツールや管理形態に依存しない管理データ交換のためのデータ形式の定義」(期間:5月21日から12月末まで)。これにより、大規模プロジェクトにおける進ちょく管理や品質管理などの管理データに共通する情報項目を規定するデータモデルを策定する。さらにこれまでの大規模SIの開発経験に基づき、管理データの交換に必要な各種のデータ形式も規定する。

 (3)は「実証実験を通して(1)と(2)の妥当性を評価」(2013年1月から6月末まで)。実際のプロジェクトで使用している管理ツールに(1)(2)の成果を適用し管理データ交換を行い、取り組みの成果の実用性や有効性を評価する。

 なお、同協議会の主査は南山大学 青山幹雄教授とし、日本IBM、富士通、NECを事務局とする。

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(川島 弘之)
2012/5/21 15:22