日立、microSDサイズのモバイル認証デバイス「KeyMobileMSD」販売開始

~スマホを認証デバイスにするKeyMobileフォン(仮称)も


発表会で「KeyMobileMSD」を手に持ってプレゼンする、日立製作所 情報・通信システム社 セキュリティ・トレーサビリティ事業部 グローバルプロダクト本部 本部長 九野 伸氏

 株式会社日立製作所は、モバイル端末向けセキュリティデバイス「KeyMobile」の後継製品として、金融機関などのICカード並みの高セキュリティ機能はそのままに、microSDカードサイズに小型化したモバイル認証デバイス「KeyMobileMSD」(キーモバイル・エムエスディー)を発売すると発表した。価格は1万7800円で、4月25日に販売開始する。

 「KeyMobileMSD」は、金融機関などのICカードに用いられる耐タンパ性に優れたセキュリティレベルの高いICチップとフラッシュメモリーを搭載した認証デバイス。情報セキュリティ国際評価基準「Common Criteria(CC)」の保証レベル4+(EAL4+)認定を取得したICチップを採用しているほか、ICチップにはRSA暗号2048ビットに対応したPKIカードアプリケーションソフトウェアを搭載するなど、高いセキュリティレベルを実現した。内蔵フラッシュメモリーの容量は2GBに拡張したことで、カード内に業務データやドキュメント、各種アプリケーションなどを入れて持ち歩くことも可能となっている。

 ノートPC、スマートフォン、タブレットなど現在は多くの機器でmicroSDカードスロットを装備していることと、ICチップのプロセス微細化により小型化が可能になったことからmicroSDカードサイズを採用。専用のドライバーなどソフトウェアは必要だが、市販のノートPCやスマートフォンなどのmicroSDスロットが利用できる。

 発表会では、「KeyMobileMSD」を装着したスマートフォンを認証デバイスとして利用するデモも行われた。スマートフォンをAndroidスマートフォンのmicroSDカードスロットに「KeyMobileMSD」を挿入。スマートフォンとノートPCをBluetoothで接続することで、スマートフォンを認証デバイスとして利用する。

 ICチップにはPKI機能で利用する電子証明書(最大5つまで)の格納、秘密鍵やPINの設定が可能な機能を搭載。「KeyMobileMSD」を専用ソフトをインストールしたノートPCやスマートフォン、タブレットなどの携帯機器に装着することで、業務システムなどへのリモートアクセスをセキュアに行うことができる。また、紛失した場合には、企業の管理者などが電子証明書をリモート操作で失効させ、不正利用やなりすましを防ぐことが可能だ。

 日立では、従来から提供している日立のセキュリティソリューション「Secureplaza」(セキュアプラザ)の「モバイルセキュリティソリューション」を強化するため、各種モバイル端末向け製品のラインアップの拡充を図り、その第1弾として、Windows 7(32bit)搭載のモバイルノートPCとタブレットPC向けに「KeyMobileMSD」を提供。今後は、12年度の第2四半期にAndroid OS対応製品、第3四半期にWindows 8対応製品のリリースを予定する。

 日立製作所 情報・通信システム社 セキュリティ・トレーサビリティ事業部 グローバルプロダクト本部 本部長 九野 伸氏は、「セキュリティ市場全般では、市場の伸びは年1%程度に止まっているが、モバイルセキュリティに限れば、2015年には2011年の3倍、3000億円の市場に成長すると予測されている。「KeyMobileMSD」は、カード単体だけでなく周辺のソリューションなども含め、今後3年間でグローバル市場で200億円の売り上げを目指す」と述べた。


ソリューションと合わせてグローバルに展開し、3年で200億円の売り上げを目指す世界のモバイルセキュリティ市場売上予測日立は2000年ごろから「Secureplaza」のブランドで日立グループのセキュリティソリューションを推進してきた


新製品の特長(1)小型化新製品の特長(2)高セキュリティ新製品の特長(3)利便性


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