「障害発生の多いサーバーは選定対象から外す」、43%の企業が回答
IDC Japan株式会社は12日、国内x86サーバーサポートに関する調査結果を発表した。x86サーバーを導入後、サーバーの品質、信頼性、障害発生時のベンダー対応などについてどのように評価しているかを、従業員10名以上のユーザー企業を対象に行った調査。
これによると、「過去3年間において運用・保守・管理するx86サーバーの台数が増加した」と回答した割合は36.9%で、「減少した」と回答した20.5%を上回った。また、「前年と比較してサーバーを管理するシステム要員が減少した」と回答した割合は22.4%で、「増加した」と回答した14.2%を上回った。このことから、サーバーを管理するシステム要員の人数は抑制する一方、サーバー台数は増加しており、システム要員の負担が増加していることがうかがえる。
また、現在直面しているサーバー保守の課題としては、保守期限切れへの対応、社内の保守要員のスキル不足、サーバー更新時の負担増、災害対策などの対応不足、保守要員の不足が上位5位に入った。x86サーバーは、価格が安価である反面、利用するアプリや用途に応じて多数のサーバーにより分散処理するのが一般的になっているため、多数あるサーバーの保守契約更新や頻繁なサーバーの入れ替え、障害発生時の対応などに課題があることがうかがえる。
さらにサーバーの障害に対して、サーバーの導入時、導入後1週間以内、運用開始後の3つの期間に分け、それぞれ障害の種類、障害発生の割合、障害発生時のベンダー対応における満足度などを調査。サーバーの運用開始後に発生した障害に対するベンダー対応を例に取ると、「満足」「ほぼ満足」と回答したユーザーは全体の50%にとどまり、また、ベンダー間の障害対応の満足度にも開きがあったという。サーバー障害発生に対するユーザーの対応としては、「障害の多いベンダーは今後の選定対象から外す」と回答したのが42.6%で最多となった。
X86サーバーで現在直面している保守の課題(出典:IDC Japan) | サーバーの障害発生に対するユーザーの対応(出典:IDC Japan) |
IDC Japanでは、「サーバーベンダーは、サーバー販売後のユーザーサポート・保守品質を高めることで、ユーザーの満足度を向上させるだけでなく、次期サーバーの更新案件、新規案件獲得につながる重要なきっかけになるととらえるべき」としている。