レッドハット、仮想化製品「RHEV 3.0」を提供開始~管理サーバーがRHELに対応
コストもVMwareと比べて1/3~1/5に
レッドハット株式会社は25日、仮想化製品の最新版「Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV) 3.0」を国内で提供開始したと発表した。米国での1月18日の発表を受けてのもの。RHEVは、Linuxカーネルに取り込まれている仮想化技術KVMを核とし、仮想化の管理ソフトウェア群を体系化した統合製品で、VMwareのvSphereと同じカテゴリの製品となる。
提供形態はサブスクリプションモデル。1ソケットあたりの年間価格が、月~金の9時~17時対応のスタンダードサポートで6万4900円、週7日24時間対応のプレミアムサポートが9万7400円。このほか、デスクトップ仮想化のための「RHEV for Desktops」がアドオンとして用意される。
また、トレーニングやコンサルティングなどのサービスも提供する。コンサルティングサービスは、仮想化現状分析コンサルティングが60万円から、仮想化移行トライアルコンサルティングが300万円から、仮想化新規導入コンサルティングが300万円から。
RHEV 3.0の管理画面 |
RHEV 3.0での最大の変更点は、管理サーバー「RHEV Manager」をすべて同社のRed Hat Enterprise Linux(RHEL)上で動くオープンソースソフトウェアとして作り直したこと。従来バージョンは.NET Framework上で動作し、Windows Serverが必要だったところを、JBoss Enterprise Application Platform上で動くJavaアプリケーションとした。ただし、管理クライアントとしては、Windows XP/7またはWindows Server 2008 R2と、Internet Explorer 7以降のみがサポートされている。
そのほかの特徴としては、ハイパーバイザーのKVMをRHEL 6.2ベースのものとしたことや、リモートデスクトップのプロトコルであるSPICEのパフォーマンスを強化したこと、エンドユーザー企業が仮想マシンの利用状況などを把握できる「User Portal」が挙げられている。
RHEV 3.0の主な新機能 | エンドユーザー企業が仮想マシンの利用状況などを把握できる「User Portal」 |
記者発表会でレッドハット マーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャの石井明氏は「いままで、エンタープライズではVMwareを選択するというのが現実的な選択だったが、新たな選択肢としてRHEVを使ってもらえるようにする」と説明。
VMware製品に対するメリットとして、1社独占のリスクの回避や、RHELと一体化していることによるパフォーマンスとスケーラビリティ、同社試算で1/3~1/5というコストなどを主張した。さらに、エンタープライズでのRHEVの利用を促進するためにはハードウェアやソフトウェアのパートナーと一体になっていく必要があるとし、関連製品のカタログサイト「Red Hat Market Place」も紹介した。
レッドハット マーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャ 石井明氏 | VMware vSphereとRHEVのコスト比較(レッドハット試算) |