デル、手軽に導入・運用できるシステム管理アプライアンス「KACEシリーズ」
「KACE K1000」アプライアンス |
デル株式会社は25日、国内でのKACE事業を本格化し、システム管理・導入アプライアンス「KACEシリーズ」を提供すると発表した。「KACE K1000」「同 K2000」の両製品を同日に発売する。
デルのSMB(中堅・中小企業)ビジネスとしては、現在、「情報をいかに効率よく管理するか」「ビジネス拡大の上でシステムをいかに適切に管理するか」という2つの大きな課題に応えるために、仮想化、データ管理、クラウド、セキュリティといったソリューションを提供している。
これらと並ぶSMBビジネスの大きな柱が、PCシステム管理ソリューションのKACE事業。同事業は、2010年に米Dellが買収した米KACEを中核として構成されており、「ワールドワイドで3700社以上の顧客を持ち、2012年度第3四半期(2011年8~10月)だけで600の組織が新規のユーザーを獲得した。10カ国程度でしか展開されていないが、対前年比で100%以上の成長を遂げるなど、期待されている分野」(コンシューマー&SMB事業本部 SMB事業本部 マーケティング本部長の原田洋次氏)なのだという。
このような背景の中で、初めて国内に投入されるKACEシリーズは、「PCやサーバーのライフサイクル管理に必要な機能があらかじめ構成されている」(KACEブランド・マネージメント シニア ブランド・マネジャーの守川啓氏)アプライアンス製品だ。必要なハードウェア、ソフトウェアを事前構成して提供するため、追加のハードウェア、ソフトウェアは一切が必要ないほか、導入が簡素化されており、「69%のユーザーが、1週間以内に導入を完了している」(守川氏)とのこと。また操作も、使いやすいWeb GUIによって簡潔に行えるので、IT管理者のレベルを問わず、容易に習得できるとした。
「システム管理のポイントソリューションは数多くあり、個々は比較的安いが、複数使ってしまうと複雑で使いにくくなる。また、管理スイートでは、包括的なソリューションは提供できても、導入に時間がかかるし、長時間のトレーニングなどが必要で、コストがかさむ。KACEでは、必要な機能があらかじめ統合されているので、手軽に導入できるし、習熟も容易だ」(守川氏)。
具体的な機能としては、インベントリ/資産管理、ソフトウェア配布、リモート制御、セキュリティパッチ運用などの機能を「K1000」で提供。一方の「K2000」は、OSのイメージ作成やネットワーク経由でのインストール、ドライバやBIOSの更新(デル製品のみ)など、デプロイメント関連の機能を主に提供する。
対象プラットフォームはWindows 2000 Professional以降/Server 2003以降、Mac OS X 10.4~10.6、Red Hat Linux(K1000のみ)で、iOSやAndroidなどにも対応を予定する。動作環境としては、物理サーバーを利用した物理アプライアンスの形態以外に、VMware ESX、ESXi 3.5/4.0、OVFといった仮想環境で動作する仮想アプライアンスを用意する。なお、管理対象となるPCやサーバーには、エージェントソフトウェアをインストールする必要があるが、KACEアプライアンスからプッシュ型でのインストールを行えるため、事前にインストールしておくといった作業は必要ないとのこと。
初年度の保守、リモートトレーニングを含めた最小構成(100ノード)の価格は、「K1000」が107万9400円から、「K2000」が61万7400円から。ノード数が増えた場合は、追加ライセンスを購入すれば対応可能で、最大2万ノードまで拡張できる。